基本体型


自分の基本体型を認識する

 人間の体型は、基本的に遺伝子の結果として決まってくるものであるが、筋肉がつきやすいとか脂肪がつきやすいといった特性は、遺伝と環境の両方から決まってくると言うことが出来る。

 認めたくない人もいるかもしれないが、両親の一方が肥満であれば、その子どもが肥満になる確率は40%、両親とも肥満であるとその確立は80%にも高まると言われている。

 しかし、たとえ肥満になりやすい体質であっても、遺伝が全てを支配する訳ではなく、ダイエットと運動によって体脂肪レベルを調整することは可能である。

 とは言っても、体質の差があることから、肥満体質の人は、そうでない人と同じダイエットやトレーニングを行うことで同じ効果を得ることができないことが多い。


 ここで大切なことは、「効果が出にくいからやめてしまう」ということではなく、自分の体型を認識し、それを受け入れてダイエットやトレーニングに取り組むということで、これは何も肥満体質の人に限らず、全ての人に言えることである。


3つの基本体型

 人の体型は下記のように外、中、内胚葉型の3種類に分けることができ、体型的特長と性格的特長は、表中に示したとおりである。

 また、この体型は発育の初期にほぼ決定されると考えられている。

外胚葉型

体型的特長

slim
 背が高くて痩せている。

 骨ばっていて脂肪も筋肉も少なく、骨は小さく肩から尻まで真っ直ぐになっており、胸はぺしゃんこで胸郭は小さい。


 このタイプの人は、筋肉増強はとても難しく、体型を改善するには食欲を旺盛にしてタイムスケジュールに従って食べるといった必要がある。

 カロリーを消費しやすいために、補うためにはより頻繁に食物を摂る必要があり、1日5〜6回の栄養補給が推奨されるが、日常的にはこんなに頻繁に食事を摂ることは困難であることから、乳製品アレルギーがなければ、低脂肪乳や無脂肪乳を飲むとよい。

性格的特長  性格的には感覚過敏で自分の周りで起こっていることに対して非常に注意を払い、新しい状況にも敏感に反応する。



 
中胚葉型

体型的特長

mid
 通常骨太で、肩幅が広く、身体がV字型をしており、がっしりとした筋肉質なタイプ。


 この体型の人は、遺伝的に筋肉増強をしやすいが、純粋な中胚葉型であっても食べ過ぎると脂肪がつくことがあり、エクササイズの他に活動に見合ったカロリーをバランスの取れた食事から得ることが肝要である。

 また、自分の能力を過信してトレーニング過剰になることもあるため、適度に抑えることを心掛けるべきでもある。

性格的特長  堂々としていて積極的な性格であることが多い。





内胚葉型

体型的特長

fat

 滑らかに丸みを帯びており、骨格は普通で、内臓が大きい脂肪細胞が肥大しやすく肥満になりやすい。

 また、代謝速度が遅いことが多い。


 内胚葉型の人は、1日の総摂取カロリーの少なくとも25〜35%を低脂肪食品からのタンパク質で摂る必要があり、もう一つの目安は、炭水化物摂取を抑制しながらも、体重1kg当り2〜3gのタンパク質を摂取することである。

性格的特長  性格としてはのん気で寛容で社交的であることが多い。



脂肪の話

 脂肪細胞は、主として下記の3つの期間に身体につき、生涯の体型が決まっていく。
  1. 胎児の期間の最後の3ヶ月
  2. 1歳になるまで
  3. 思春期

 また、幼児に低脂肪食を与えると、カロリーを熱に変える褐色脂肪組織の量が減り、後に肥満体になる確率が増すという研究結果もあるそうである。


  適切なダイエットと運動で体型をコントロールすることは出来るが、脂肪のつきやすい人の脂肪細胞は、大きくてしかもその数が多い。

 肥満の人のインシュリン分泌量は、やせた人に比べて多い傾向にあり、インシュリンは体脂肪を増やし、しかも増えた体脂肪を維持するという特徴を持っているからやっかいだ。


 また、筋肉と脂肪の組織は異なり、筋肉が脂肪になったり脂肪が筋肉になるということはあり得ず、その比率は一定に保たれており、筋骨隆々の人でも運動しなければ筋肉は衰え、相対的に体脂肪が増えたようになることから、これが年をとった時にあたかも筋肉が脂肪に変わってしまったように感じられることの一因と言うことが出来る。


 脂肪には下記の3つの基本タイプがあり、エネルギーとなりうる脂肪は通常、貯蔵脂肪と皮下脂肪である。
  1. 皮下脂肪
  2. 腹部などの大きな脂肪貯蔵部位で見られる貯蔵脂肪
  3. 腎臓の周囲にあるような必須脂肪

 女性の場合は、下記の2つの理由で男性よりも体脂肪を減らすことがより困難となるため、より多くの忍耐が求められることになる。
  1. 男性よりも筋肉が少なく、その結果、安静時代謝が低い
  2. 女性の身体は、出産のために脂肪を蓄えやすくなっている

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