プロテクト解説


〜プロテクトの種類〜

☆セーフディスク Ver.1(SafeDisc,SD1)


 CDにわざと「読めないセクタ(バッドセクタ)」を作ってあります。そのため、普通にコピーしようとすると読み込みエラーが発生して停止してしまいます。また、自動的に修正してコピー出来た場合でも、ゲームソフト等の起動時にCDをチェックして読めない部分が存在するか調べていますので、エラー部分も再現してコピーしなければばりません。


☆セーフディスク Ver.2(SafeDisc,SD2,SD2.5)

 簡単に言うと、CD−Rで書こうとすると多くのCD−Rは書けない(=読めない部分になる)データが存在します。Ver.1とは逆に、この部分が読めるか起動時に調べています。さらに、Ver.1と併用されていますので、最初から読めない部分も存在します。
 さらに最近では、メディア(ディスク)が本物かCD−Rを判別するためにATIPというメディア情報も読みとります。端的に言うと、CD−RドライブでCD−Rメディアから実行すると、CD−Rメディアであることがバレてしまいますので、CD−ROMやDVD−ROMドライブで実行しましょう。というのは、CD−ROMやDVD−ROMドライブの多くは、ATIPが実行出来ないのでCD−Rメディアであることがバレないためです。
 また、一部のドライブでは生焼け(失敗)でも起動する場合があります。特に、CD−Rを焼いたそのドライブでは起動する可能性が高いようです。それを防止するために後のバージョンではCD−Rメディアでは起動しないようになっています。しかし、CloneCDと一緒にインストールされるCloneCDTrayの「CD-Rメディアであることを隠す」等で、CD−Rであることを隠すようにしてCD−Rドライブで起動するようにすることも出来ます。ただし、「CD-Rメディアであることを隠す」機能は日本で使用できないようになっています。
 Ver.2.5は、Ver.2を強化して「多くのCD−Rで書けないセクタ(ウィークセクタ)」が更に書きにくくなっており、対応ドライブも更に少なくなっています。

★関連コーナー★  CloneCDの機能制限



☆セキュロム(SecuRom)

 サブチャネルという特殊な領域にデータが書いてあります。普通、この部分はCD−Rドライブが自動で適切なデータを書き込みますが、セキュロムのディスクは独自のデータが書かれていて、ゲームソフト等の起動時にチェックしています。また、上のSD2と同じくATIP読みも行いますので、コピーメディアでCD−Rドライブからは起動しません。


☆リングプロテクト(RingPROTECH)

 本物の盤面(信号面)をみると、バームクーヘンや年輪のようにすじが見えます。そのため、「バームクーヘン」「年輪プロテクト」とも呼ばれます。このすじの正体は、セーフディスクVer.1とおなじようなエラーセクタですので、このすじ=エラーセクタを再現しつつコピーしてやればOKです。




〜プロテクトの見分け方〜


 まず、プロテクトが見分けられないとコピー出来ないという事はありません。有名なタイトルならばインターネットを検索すればプロテクト情報等は見つかるでしょうし、「このメーカーなら???プロテクトかなぁ」と見当をつける人もいますね。とりあえずセーフディスク・リングプロテクト・セキュロムのどれであってもコピーできる(?)設定にしておけばOKでしょう。
 それでもプロテクトの種類が正確に知っていた方が良いに決まっています。プロテクト判別ソフト「ClonyXXL」を使うと簡単に見分けることが出来ます。セーフディスクは、多くのバージョン(1.00.026/1.01.034/1.01.043/…)が存在するので、バージョンを正確に知りたい場合は「SafediscAnalyser」というソフトがあります。

★関連ソフト紹介コーナー★  ClonyXXLの使い方  SafediscAnalyserの使い方




〜もう少し詳しく〜


CDROM MODE1のセクタ構成

 普通にCDをコピーした場合、上の図の黄色の部分のみコピーされ水色の部分はCD−Rドライブが自動生成して書き込みます。水色の部分のうち、EDC(エラー検出コード)とECC(エラー修正コード)が重要で、セーフディスクVer.1やリングプロテクトではエラー修正コードをCD−Rドライブが自動生成するものとは違うデータにすることで、わざとエラーを発生させています。このエラーが発生する部分を「バッドセクタ」といい、これをCD−Rで再現するために、「ロウ(Raw)」モードという特殊なモードを使用します。ロウモードでは、水色の部分も含めCDのデータを完全に読みとり、そのままCD−Rに書き込むみます。そのため、CDイメージはCDの容量より大きなサイズになります。(普通のコピーソフトは、黄色い部分だけだから)また、バッドセクタの読み込みには時間がかかるため、ほとんどの場合でオンザフライ(イメージを作らないで直接コピーする方法)はできません。
 セキュロムの場合、サブチャネル(SubChannel)という領域にデータが書き込まれています。サブチャネルとはデータに使われない予備領域で、セキュロムをコピーする場合は、Pチャネル〜Wチャネルという部分をコピーするようにします。最近のセキュロムでは、データトラックだけでなくオーディオトラックのサブチャネルも利用しています。まぁ、全てのサブチャネルをコピーすればOKということですね。CD−Rに書き込む際は、ディスクアットワンス(DiscAtOnce)というモードで書き込みます。セッションアットワンスSessionAtOnceでは、サブチャネルが正確に書き込めないからです。
 セーフディスクVer.2の「多くのCD−Rで書けないセクタ(ウィークセクタ)」は、EFMを通常利用されないパターンに書き換えて、CD-Rでは書き込めない(エラーになってしまう)ようにしてプロテクトを作っています。ソフト起動時には、このセクタがエラーになっていないか調べています。このプロテクトをコピーするためには、「多くのCD−Rで書けないセクタ」をエラーにしないで書けるCD−Rドライブが必要です。また、セーフディスクVer.1と併用されているので、バッドセクタはエラーにしなければなりませんから、ロウモード対応のソフトも必要です。
 セーフディスクVer.2.5からは、さらに多くのドライブで書けないようなウィークセクタとなっている様で、対応ドライブはライトオン製の一部とその他わずかとなっているようです。
 まとめてみるとセキュロムの場合はサブチャネルをコピー、その他のプロテクトはロウモードでコピーする。CD−Rドライブに要求される能力はロウモードで書ける事、その上でセキュロムの場合はサブチャネルを書ける事、セーフディスクVer.2/2.5の場合はウィークセクタを書けることです。また、プロテクトCDを正確に読み込みイメージファイルを作成するドライブも必要です。多くの場合、CD−Rでも可能ですがプロテクト読みに非常に時間がかかったり、サブチャネルが読めないドライブ(CD-R/CD-ROM)も存在するので、手持ちのドライブをテストしてみると良いでしょう。
 運良く、手持ちのドライブが読み込み/書き込み共にロウモード・サブチャネル対応の場合、ソフトの設定はロウモードでサブチャネルも読み書きする設定にしておけば、ほとんどのプロテクトCDに対応できるハズです。いちいちプロテクトの種類を調べなくてもOKですね。
 まぁ、まずはいろいろと試してみる事でしょう。ここのサイトで紹介しているソフトをダウンロードしてCD-RWでテストしてみましょう。このサイトではCD−Rにコピーする事を前提にしていますが、CD−RWの場合も全く同じ手順です。(もちろん、CD-RWは初期化した状態から) 実際ソフトやドライブの相性もありますし、いろいろな設定で試してみましょう。高速に設定すると出来ない場合もありますし、同じ機種でも出荷時期(製造番号・ロッド)によっても出来ない場合もありますから。
 最後に、DAEMON Toolsを紹介しましょう。このソフトは、CDイメージを仮想CDとして扱うソフトで、もちろんプロテクトにも対応しています。市販のCD革命や、携速と同じようなソフトですが、フリーソフトとして公開されています。プロテクトCDのコピーには、ロウモードやサブチャネルに対応したCD−Rドライブが必要になりますが、DAEMON Toolsは仮想CDですのでほとんどの方が利用できると思います。というのも、プロテクトはCD−Rに焼くのが難しいのであってイメージにするのはそれほど難しくありません。

★関連コーナー★  CD−R基礎知識  DAEMON Toolで快適




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