DVD-ROMには通常リージョンコードが設定され、数回しか変更できませんが、
それをリージョンフリー化する方法を画像付きで解説します。
    
■ リージョンコードとは?

DVD-VIDEO及びプレーヤーには、リージョンコード(Region Code)というものが設定されています。
これは、DVD-VIDEOの市場シェアを保護する目的から設定されているもので、
DVD-VIDEOとそれを再生するプレイヤーのリージョンコードが一致しなければ、
再生することができないというものです。

例えば、リージョン2(日本向け)のDVD-VIDEOは、
リージョン2のプレーヤーでしか再生できないということになります。

逆に、リージョン2のプレーヤーにアメリカのDVD-VIDEO(リージョン1)を入れても
再生することはできないわけです。


 ■ 国別のリージョンコード

リージョンコードは目下、下記のように定められています。

リージョン1 - 米国 カナダ
リージョン2 - 日本 欧州 中東 南アフリカ エジプト
リージョン3 - 東アジア 東南アジア 香港
リージョン4 - オーストラリア 中米 カリブ諸国 南米
リージョン5 - 旧ソビエト連邦緒国 北朝鮮 モンゴル 南アジア アフリカ緒国
リージョン6 - 中国

※ DVD-VIDEOによっては全地域で再生可能な「リージョンフリー」と呼ばれるのもの、
  どのリージョンコードのDVD-VIDEOでも再生できる
「リージョンフリー」のプレーヤも存在します。


 ■ リージョンコードの変更

DVD-ROMやDVD-RAMなどのPC用DVDドライブ(DVD-VIDEOを再生できるドライブ)は、
標準でリージョンコードの変更が可能です。

ここで国別のリージョンコードを知ることができる
しかし、変更回数が4回と限られており、それ以上変更することはできません。

最後の変更を加える時には下記のような警告が出ます。

これが変更できる最後の機会
このリージョンの設定は、ドライブ内のFirmware(ファームウェア)に書き込まれますので、
OSを再インストールしてもリセットされません。
最後の変更を加えた時点で、それは固定されてしまいます。


 ■ DVDドライブのリージョンフリー化

以上のように、DVDドライブのリージョンコードは数回の変更しかできず、
半ば固定されていると言えます。

しかし、DVDドライブによっては、Firmware(ファームウェア)を書き換えることにより
「リージョンフリー」にすることが可能です。

今回は、東芝製DVD-ROMドライブである「SD-M1612」のリージョンフリー化を行いました。

DVD-RAMも読めるDVD-ROMドライブ

 ■ Firmware書き換えツールの入手

リージョンフリーにできるファームウェアは、
当たり前ですがドライブメーカーのサイトでは配布されていません。

そこで、ファームウェアを置いてあるサイトで捜します。

The firmware Pageで、SD-M1612のファームウェアを入手します。
画面左上にある「Download search」で型式を入力するとすぐに見つかるでしょう。

「revA,revB,revC」と、複数が存在する
しかしファームウェアを見ると、ドライブにより複数の種類が存在するようです。
(同じ型式でも異なるものが存在するということ)

その中の1つを決定するために、ドライブの情報を掴む必要が生じます。

そこで、Nero Info Toolを入手し、ドライブの詳細情報を掴みます。

解凍して実行すると、下記のような画面となります。

対応するメディアやリージョンコードに付いても知ることができる
Firmware Versionの「1004」、Dateの「01-23-02」に注目します。

これにより「RevB Version X004 (01/23/02 version)」を
入手すればよいということが分かりました。

「RevB」にも2種類が存在する

 ■ 書き換え用FDの作成

先ず、Windows98等でDOS起動ディスクを作成しておきます。
容量を空けるために、IO.SYS、COMMAND.COM、MSDOS.SYSを残し、他は削除します。

作成方法はWindows2000のMS-DOS起動ディスクを参考にしてください。

ダウンロードしたファームウェアが含まれるファイルを解凍します。

4つのファイルができる
こららのファイルを全て、用意しておいた起動ディスクに入れてください。
これでディスクの作成は完了です。


 ■ 書き換えツールの実行

一端PCの電源を切り、作成したFDをドライブに入れて電源を入れます。
FDから起動するために「カタカタ」と読み始めたところでShiftキーを押し続けます。
そうすると不要な起動プロセスを飛ばしてDOSに入れます。
(FDから起動させるためには、予めBIOSを設定しておく必要があります)

黒い背景に白文字のプロンプト(A:)が出たところで、
「UPDATE.BAT」と入力して「Enterキー」を押します。

書き換えが始まりますが、この間は決して電源を落とさないで下さい。
途中で電源が落ちますと、ドライブが使用不能になる可能性があります。

なお、今回のドライブの場合は「UPDATE.BAT」ですが、
他のドライブの場合は必ずしもそうなっているとは限りません。

ファイルは1つだけで「XXX.EXE」と入力する場合もあります。


 ■ 書き換え後の確認

書き換えが終了したら、再起動します。

書き換えができたのかを確認するために、再びNero Info Toolを実行します。

書き換えによる変更を確認する
Firmware Versionが「1004→X004」となり、下部のRegion Codeが「2→All」となっています。
Region Codeが「All」とうことは、全リージョンコードに対応するということです。

これにて「SD-M1612」のリージョンフリー化は完了しました。

リージョンコードが2以外のDVD-VIDEOを作成し、再生させて確認してみてください。


 ■ 日立 GD-7000の場合

上と同様にThe firmware Pageでファームウェアを入手します。
このドライブの場合は、ファームウェアのファイルが1つ(7000X017.exe)しかありません。

それをDOS起動ディスクに入れ、起動したら「7000X017.EXE」と入力します。
(7000X017だけでもOK)

暫くするとドライブが認識され「continue the updating?」と訊いてきますので
実行するなら「Yキー」を押して「Enterキー」を押します。
すると「Updating drive firmware now!」と表示され、書き換えが始まります。
この間は、絶対に電源を落とさないで下さい。

完了したら「completed successfully」となりますので、パソコンを再起動します。
「Error on writing temporary file」と表示され失敗する場合は、
フロッピーが書き込み不可になっているか空き容量がありません。
これは、Update時に一時ファイルを作成するためです。

完了したら、Region Codeが「All」となっていることを確認してください。

■ 参考リンク The firmware Page   Nero Info Tool

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