SafeDisc系



a 特徴

 基本的にはSafeDisc1もエラーセクターを配置することにより読みこみエラーを発生させるプロテクトです。リンクプロテクトではエラーセクタを連続して配置することで読みこみエラーさせることでコピーを防止するものでした。しかし、リンクプロテクトではエラーセクターを読みこんだとしてもエラーセクターとしてそのままイメージを作成ができるのであればバックアップは可能でした。ところがSafeDisc1ではエラーセクターをこまぎれに配置してあります。これによりそれまでのライティングソフトで書き込んでしまうと、こまぎれのエラーセクター部分(以後バッドセクターと記述)が消えてしまいます。これを利用しバッドセクターの有無でオリジナルかバックアップをチェックし、バッドセクターがない場合はバックアップしたものとして起動させません。これがSafeDisc1です。ところがやがて後述の方法でバッドセクターを再現することができるライティングソフトが登場します。そうなるとSafeDisc2へと発展し、SafeDisc1は役目をおえました。
 さてSafeDisc2ではSafeDisc1のバッドセクターを配置するとともに、ウイークセクターを配置します。ウイークセクターとは正常のセクターですが普通のドライブで焼くとバッドセクターに化けてしまいます。このウイークセクター部分がバッドセクターになってないかをチェックして、ウイークセクター部分がバッドセクターになっていればバックアップしたものとして起動させません。もちろんSafeDisc1のバッドセクターの有無も判断します(なかにはSafeDisc1のバッドセクター部分をチェックしないものもあるようですが)。これがSafeDisc2です。その後もウイークセクターを強化したりなどしてマイナーチェンジを繰り返しながらさらなる発展中です。
 さてSafeDisc系であるかの判断は何種類かありますが、まずディスクのファイルをみて「00000001.tmp」「00000409.016」「00000411.256」等々のファイルがあればまずSafeDisc系でしょう(ディスクによっては先ほどのファイルがない場合もありますが)。手っ取り早く知るにはプロテクト判定ソフトもあるのでそちらを利用してもよいでしょう。さらに個々のバージョンを調べるにはSafedisc Analyser(使用方法は現在工事中)が便利です。検索すれば見つかると思います。それでは、個々のバージョンの特徴をもう少しみてみましょう。


a-1 SafeDisc1


 これがSafeDiscの基本系です。上でも述べたとおりバッドセクターのみです。 


a-2 SafeDisc2初期型(SafeDisc2.3まで)


 これがSafeDisc2の基本系です。ちなみに初期型といっているのは私独自のものですので、世間一般の感覚とハズレているかもしれませんのでご了承ください。さて上でも述べたとおりSafeDisc2になり、バッドセクターの他にウイークセクターなるものが登場しました。 


a-3 SafeDisc2前期型(SafeDisc2.4)


 このバージョンはSafeDisc2.3とウイークセクターについては同じですが、新たにATIP読みこみを加えたものです。この機能はCD-R/RWドライブがCD-R/RWを焼く時にATIPを読みとってどんなメディアか判断することにより適切な焼きができます。この機能を利用して、バッドセクターとウイークセクターが再現されていても、メディアがCD-R/RWと判断した時はバックアップしたものとして起動させないものです。よってこのバージョン以降ではCD-R/RWドライブではたとえきちんと焼けていてもツールを使わないかぎり起動できなくなりました。


a-4 SafeDisc2中期型(SafeDisc2.5〜2.7)


 さて、登場当初はごく限られたドライブでしか焼けなかったSafeDisc2でしたが、やける対応ドライブが増えてきました。そのような中で今までのウイークセクターを強化したSafeDisc2.5が登場しました。その後のSafeDisc2.6及びSafeDisc2.7は仮想ドライブ対策でありマイナーチェンジで終わっていますのでSafeDisc2.5が焼ければSafeDisc2.7は大丈夫です。 


a-5 SafeDisc2後期型(SafeDisc2.8)


 このバージョンからはトラック1のプリギャップ(プリギャップの詳しい内容は下記を参照)を読みこみ必要がでました。ウイークセクターについてはSafeDisc中期型(2.5〜2.7)と同レベルの難易度となっています。


a-6 SafeDisc2末期型(SafeDisc2.9・現在形)


 このバージョンからはSafeDisc2.5のウイークセクターをさらに強化したものです。これにより純正なCD-R/RWドライブで焼けるドライブはなくなってしまいました。が、以外なとこから焼けるドライブが見つかったようです。いまのところこのバージョンが最新のようです。


b 対策

 まず共通にいえることはSafeDisc系は読みこみ、書き込み共にドライブ依存になっています。またSafeDiscが進化するたびに対応するドライブとライティングソフトが減っていきます。逆にいえばより新しいタイプのSafeDisc系のバックアップが可能なドライブであれば古いタイプのSafeDisc系のバックアップは可能ということです。具体的にいえば、SafeDisc2.8まで書きこみ可能なドライブPlextor4220TeはSafeDisc2.4も書きこみ可能なドライブである。しかしSafeDisc2.4まで書きこみ可能なドライブPlextor4012TSEはSafeDisc2.8については焼くことはできない。ということになります。これはライティングソフトにもいえることでDiscJugglerはSafeDisc2.9も焼けるからSafeDisc2.7も焼ける。ただしClone CDはSafeDisc2.7は焼けるがSafeDisc2.9は焼けないことになります。
 それでは、ここのバージョンをみていきますがここでいう対応ドライブ、対応ライティングソフトは一部のものですので他にも焼けるものがあるかもしれません。まず自分の現在の環境で焼いてみて、それでどうしても駄目な場合はこちらを参考にするということにして下さい。ちなみに私も何十枚もメディアを無駄にしていますので(さすがに100枚はいってないと思うが…。)ご了承ください。
 あとここで焼けないドライブと説明しているが、自分のところでは起動もするぞ、ということがあるかもしれませんが、その多くは生焼けということが考えられます。生焼けとはある特定のドライブでは起動するが、起動したりしなかったり、全く起動しないドライブもあるということです(SafeDisc2.4以降ではCD-R/RWドライブではたとえきちんと焼けていても起動しないのと違うことに注意)。それでは個々のバージョンを見て行きましょう。

b-1 SafeDisc1

 バッドセクターしかないのできちんと読みとれるRAWモードが可能なドライブとライティングソフトがあれば大丈夫であり、いまでは多くの組合わせで大丈夫でしょう。


b-2 SafeDisc2初期型〜前期型(SafeDisc2.4まで)

 上では別々に説明した初期型と前期型ですが、焼き方は一緒ですのでまとめました。SafeDisc2はバッドセクター+ウイークセクターなので、読み取りドライブはSafeDisc1が読みこめるものであれば大丈夫です。これを書きこむ時にウイークセクターがバッドセクターに化けないRAWモード対応のドライブで焼けばいいのです。焼けるドライブとしてはPHILPSやACERの一部のドライブが有名ですが(PHILPSやACERのドライブ全てでやけるわけではない)、SafeDisc2がでてから対応ドライブとして発売されたPLEXTOR2410Aでも焼けます。


b-3 SafeDisc2中期型(SafeDisc2.5〜2.7まで)

 ウイークセクターを強化したことにより対応ドライブが大幅に減ってしまいました。このバージョンが出た当時、某巨大掲示板では今まで焼けたACERやPHILPSやPLEXTOR2410Aといった当時生産中の対応ドライブで焼けなくなってしまい、どのドライブなら焼けるのか大騒ぎになったことがありました。当初は製造中止になっていた古き良きドライブPlextor820,4220とPlextor8220の一部でしか焼ける報告がありませんでしたが、そのうちにLite-onのあるドライブが焼けることがわかり、今までマイナーだったLite-onのドライブが一気に脚光を浴びるようになりました。前期型との相違点はウイークセクターの強化だけなので、対応ドライブを使えばあとは今までのバージョンでの設定と同じ設定で大丈夫です。よってライティングソフトはCLONE CD(設定は工事中)などが引き続きやけます。


b-4 SafeDisc2後期型(SafeDisc2.8)

 以前までと大きく変わったことはトラック1のプリギャップを読みこむ必要がでたことで、読みこみドライブにも制約がでたことです。これによりDVD-ROMドライブでは読みこめなくなりました。ただし書き込むドライブよりは制約が薄いので、まず手元にあるCD-R/RWドライブで読みこんでみるといいでしょう。中期型のSafeDisc2を書けるドライブを持っていれば、大方は吸出しも大丈夫だと思います。もう1点はライティングソフトも制約を受けるようになりました。使用すると良いライティングソフトは、有名なところではDiscJuggler(設定は工事中)がいいでしょう。その他にはフリーソフトのCD Manipulatorでも焼けるので手持ちのライティングソフトで焼けないのであれば使ってみるのもいいでしょう。ちなみに今までのバージョンで焼けたCDRWIN、CLONE CDではトラック1のプリギャップを再現することができないので焼けなくなりました。なお、書きこみドライブは、ウイークセクターの難易度がSafeDisc2中期型(SafeDisc2.7まで)といっしょですので、書きこみドライブはSafeDisc2中期型(SafeDisc2.7まで)と一緒です。


b-5 末期型(SafeDisc2.9・現在形)

 今までのウイークセクターをさらに強化したことによりさらにドライブに制約がかかりました。今まで焼けたLite-onのドライブでも焼けなくなりました。そればかりでなく今までSafeDisc2で無類の強さを示してきた古き良きドライブPlextor820,4220とPlextor8220の一部でも焼けなくなりました。いよいよドライブ全滅か、と思われたときに意外なとこから焼けるドライブが見つかりました。それはという日立LGのGMA-4020Bというドライブでした。これはもともとCD-R/RWドライブというより、DVD-R/RW/RAMドライブであり、CD-R/RWについてはおまけという認識が強かったドライブでした。その後このドライブの後継種のGSA-4040Bが登場し、これも同様に焼けるようです(GSA-4040BについてはCD-R/RWの他にDVD±R/RWとDVD-RAMの一部も焼けるようです)。いまのところわかっているドライブはこの2種です。なお、焼けなくなったこれらのPlextorのドライブで焼いたものでも、起動できるドライブはかなり多いので(私のドライブだと起動しませんが)これらのドライブをお持ちの場合はまず焼いてみるのもいいでしょう。ライティングソフトの選択と設定については、SafeDisc2後期型(SafeDisc2.8まで)と一緒です。


c 用語解説


  プリギャップ

 音楽CDで説明するとわかりやすいので例にとって説明します。例えばトラック4の曲が4分の曲だったとします。4曲目から5曲目に行く時に表示を注意してみると2つのケースが考えられます。
「04 03:56→04 03:57→04 03:58→04 03:59→04 04:00→05 00:01→05 00:02→05 00:03→」プリギャップなし
「04 03:56→04 03:57→05 -0:02→05 -0:01→05 00:00→05 00:01→05 00:02→05 00:03→」プリギャップあり
この「05 -0:02→05 -0:01→05 00:00」これがプリギャップのデータなのです。普通に音楽CD聞いている分にはほとんど影響がないと思います。
 さてSafeDisc2.8からは、トラック1にプリギャップがあります。これがデータの一番最初にあるプリギャップなのでドライブによっては読みこめないものもあります。またライティングソフトによってはトラック1のプリギャップを読みこめないものもあります。このトラック1のプリギャップをチェックすることでバックアップをさらに難しいものへとしました。


d まとめ

・判別方法
  ディスクにファイルをみて「00000001.tmp」「00000409.016」「00000411.256」等々のファイルがある(SafeDiscであってもこれらのファイルがない場合もあることに注意)。

  
   (参考としてSafeDisc2.5のIZUMOです。)
  バッドセクターが570くらいから600未満ある。
  SafeDisc Analyserで調べたらバージョンが判明した。
・使用するライティングソフト(SafeDisc2中期型・SafeDisc2.7まで)
  Clone CD,CDRWINなど(他にもあります)。
・使用するライティングソフト(SafeDisc2末期型・SafeDisc2.9まで)
  DiscJuggler、CD Manipulatorなど(他にもあります)。
・ライティングソフトの設定例
  CD Manipulator

   

   
   (参考としてSafeDisc2後期型であるカラフルキッスをバックアップの設定です。これでドライブを選べばSafeDisc2末期型でもいけます。)
・ドライブの選択(読みこみドライブ)
  SafeDisc2中期型(SafeDisc2.7)まではRAWモードに対応していれば可。
  SafeDisc2後期型以降(SafeDisc2.8)はトラック1のプリギャップを読みこみ可能なもの。
  (PlextorやLite-onのCD-R/RWなど)
・ドライブの選択(書きこみドライブ)
  SafeDisc2前期型(SafeDisc2.4)まで
   PHILPSやACERの一部のドライブなど。
  SafeDisc2後期型(SafeDisc2.8)まで
   Lite-onやPlextor820,4220と8220の一部など。
  SafeDisc2末期型(SafeDisc2.9)
   日立LGのGMA-4020BやGSA-4040B。

 

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