市販DVD-Videoのリッピングは違法?
合法?
弁護士取材を交えて白黒つけました! |
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前のページの表で挙げたように、市販のDVD-Videoには「CSS」(Content
Scramble System)と呼ばれる視聴制限技術が施されているため、単純にディスクからHDDへファイルをコピーしても、再生時に暗号化鍵を復号できず、正常に再生できない。したがって、DVD-VideoをリッピングするにはCSSを回避(解除)する必要があり、実際にCSSを回避してリッピングを行なうソフトは複数存在する。
そこでユーザーとして気になるのは、こうした「コンテンツ保護のための機能を回避してコピーすること」に違法性はないのかという点だ。さらに言えば、そもそもそうした機能を持つソフトを入手したり、作ったり、配布したりすることに問題はないのだろうか。
こうした疑問について、英知法律事務所の弁護士・岡村久道氏にうかがった。
「市販DVD-Videoのコピーやプロテクトについては、著作権法と不正競争防止法という二つの法律が関連しています。著作権法は著作物と著作権者を一定期間守るためのもので、コピーに関する細かい規定があります。不正競争防止法は事業者間の公正な市場競争を促すためのもので、商売のマネをしたり、模倣品を売ったりすることなどを規制しています。そして、マクロビジョンなどのコピー防止技術は、著作権法2条1項20号にいう“技術的保護手段”と位置付けられています」。
やはり市販のDVD-VideoをリッピングしてHDDにコピーすることは、著作権法に抵触してしまうのだろうか?
「著作権法30条で私的使用について規定していて、この1項で著作物を家庭内などで私的に利用するためなら、原則コピーすることを許しています。ただし例外が二つあって、そのうち一つが技術的保護手段を回避することです」。
ということは、技術的保護手段を回避しなければ、私的使用に限りコピーしてもよいと解釈できる。問題は、CSSが技術的保護手段にあたるのかということだ。
文部科学省の文化審議会 著作権分科会がまとめた2006年1月の報告で、『現行著作権法では、コンテンツの無断複製を技術的に防ぐ手段(コピーコントロール)は技術的保護手段の対象となるが、放送のスクランブルなどコンテンツを暗号化し視聴を制限する手段(アクセスコントロール)は、視聴行為そのものはコンテンツの権利者に無断で行われたとしても「著作権等を侵害する行為」ではないので、技術的保護手段の対象外であると解されている』と記されている。
CSSはまさに視聴制限のための技術であり、コピーコントロールではなくアクセスコントロールに相当するわけだ。 |
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ルールに違反しなければ
何をやってもよいというのは悲しい考え方 |
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岡村久道氏
京都大学法学部卒。弁護士、英知法律事務所所長。国立情報学研究所客員教授。近畿大学と神戸大学で法科大学院の講師を兼任し、内閣府の規制改革・民間開放推進会議
重点事項推進ワーキンググループや、内閣官房
情報セキュリティセンターの専門委員などを務める。趣味はPCの自作 |
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もっとも、この報告はあくまで文化審議会によるもので、今後の判例によって解釈が変わる可能性はある。ただ、今のところCSSを回避してコピーを作っても、即著作権の侵害とはならないようだが、ではなぜ著作権法でアクセスコントロールを扱わないのだろうか。
「基本的に単なる使用(※DVD-Videoの場合は視聴)に関しては、著作権の効力がおよばないという考え方なのです。あくまでも中心概念は複製についてなんですね。ただ、不正競争防止法ではコピーコントロールとアクセスコントロールの両方を扱っています。この両者を回避する装置やプログラムに対して、それを取引することを禁じています」。
つまり、CSSを回避してコピーを行なうリッピングソフトは、Webサイトで公開したり、譲渡したりすると不正競争防止法に抵触するわけだ。とはいえ、刑事罰の適用があるわけではない。
また、この取引において、単に入手することの是非についての記述はない。
「条文上では譲受、つまり入手する行為自体は記載されていません。そのため、古典的な考え方では、基本的に規制の対象外になりそうに思われます。ただ、これについて判例がないので、確実に白というわけではなく、現時点では断言はできません」。
もう一つ気になるのは、コピー元の原本の扱いだ。つまり、HDDなどにリッピングした後に、そのデータを残したままオリジナルのDVD-Videoを売却したり、譲渡したりしてもよいのだろうか。
「オリジナルの売却そのものは、著作権法では制限されていません。もちろんコピーしたデータを譲渡すれば、複製権侵害ですが」。
さらにもう一歩踏み込んで、レンタルDVDのリッピングは法律的にどう解釈されるのだろうか。
「これも同じく規制する明文規定がないんです。ただし、コピー目的のレンタルが私的使用にあたるかどうかは難しいですね」。
ここで話をまとめよう。CSSを回避してリッピングするソフトをユーザーが入手し、CSSのかかった市販のDVD-Videoをコピーしても、私的使用の範囲なら現行の著作権法と不正競争防止法の規制対象にはならないと考えられる。また、コピー目的でDVDレンタルを利用しても、その真意を他者が判断することは難しく、著作権法にもとくに規制はない。
「著作権法で規制されていない場合でも、不法行為責任(民法709条)と判断されることもあります。ルールに違反しなければ何をやってもよいというのは悲しい考え方です。作っている人には敬意を払うべきだし、ユーザー自身が法律だけでなく道義的にも判断すべきでしょう」。 |
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著作権法 |
民事的救済 |
刑事罰 |
コピーコントロール |
回避を伴う私的複製 |
差止請求権(民法上の損害賠償請求権) |
なし(第119条第1号カッコ書き) |
回避専用装置等の「譲渡等」 |
(民法上の損害賠償請求権) |
3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科も可) |
アクセスコントロール |
回避を伴う私的複製 |
なし |
なし |
回避専用装置等の「譲渡等」 |
なし |
なし |
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不正競争防止法 |
民事的救済 |
刑事罰 |
コピーコントロール |
回避を伴う私的複製 |
なし |
なし |
回避専用装置等の「譲渡等」 |
差止請求権 |
なし |
アクセスコントロール |
回避を伴う私的複製 |
なし |
なし |
回避専用装置等の「譲渡等」 |
差止請求権
損害賠償請求権 |
なし |
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※2006年1月の文化審議会
著作権分科会報告から引用 |
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市販DVD-Videoのリッピングは、個人的なライブラリの構築やポータブル機での視聴、貴重盤のバックアップなどのためにとどめ、モラルと節度を持って行なうこと |
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■著作権法2条1項20号(技術的保護手段)
電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項に規定する実演家人格権若しくは同条第6項に規定する著作隣接権(以下この号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第2号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、又は送信する方式によるものをいう。
■著作権法30条1項(私的使用)
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
■著作権法30条1項2号(技術的保護手段の回避)
技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
■著作権法120条2項1号(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1.技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化した者 |
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DVDバックアップに必要な最初の手順は、DVD-Videoから映像や音声などのデータをHDDにコピーする、いわゆるリッピング(吸い出し)だ。ここではその基礎知識をまとめておこう |
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コピーした後の用途によって、リッピングの手順は大きく二つに分かれる。純粋にDVD-Videoのバックアップが目的なら、ディスクの内容を丸ごと一つのイメージファイルとして抜き出すISOファイルリッピングが向いている。できあがったファイルはCSSが解除されていること以外はオリジナルと同一のデータなので、ISOファイルに対応したライティングソフトでDVD-Rなどに書き込めば、完全な複製を作ることができる。
一方、複数のディスクから気に入ったシーンだけを集めて自分だけのベスト盤を作ったり、iPodやPSPなど動画対応のポータブル機で持ち歩くためにMPEG4などのファイル形式に変換したりしたいなら、動画データをファイル単位でリッピングすればよい。DVD-Videoは映像や音声、字幕などの実データは拡張子VOBファイルにまとめて記録されているので、必要なシーンが含まれるVOBファイルをDVD再生ソフトで調べてからリッピングを行なう。 |
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DVD-VideoにはVIDEO_TSとAUDIO_TSの二つのフォルダがあり、コンテンツは一定の命名規則に沿ってVIDEO_TSフォルダに格納されている |
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民生機などで録画した地上デジタル放送の番組は、コピーワンスで保護されているのでHD解像度のままコピーを作ることはできない。市販のDVDメディアに記録することは可能だが、CPRM(Content
Protection for Recordable Media)に対応したメディアが必要で、解像度はSDに落ちてしまう。しかも、ほとんどのレコーダがDVDへのコピーではなく、ムーブ(元データをHDDから消去する)という対応を採っている。
そこで、このディスクをリッピングしてバックアップできればと考えるところだが、今のところCPRMを回避してリッピングする手段はない。また、前のページの図で示したように、CPRMはコピーコントロールの範疇なので、著作権法で言う技術的保護手段に当たり、複製目的で回避すると法に抵触する。 |
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単純にバックアップを作成するだけなら、最低基準は「DVDが読み書きできること」なので、記録型DVDドライブがあればよい。読み書きともに現在の最高速は16倍速付近で、ドライブ自体も安いものなら5,000円台から入手できるので、DVD±R書き込みが等速〜4倍速の頃の製品を使っているなら、買い換えを検討してもよいだろう。
リッピングしたファイルを一時的に保存しておく必要があるので、HDDの空きは最低でも10〜20GB程度は必要。また、FAT32では4GB以上のファイルが扱えないのでNTFSがほぼ必須と言え、その意味ではOSはWindows
XP/2000が望ましい。
リッピング後にトランスレート、トランスコードといった作業を行なうなら、マシンパワーは高いほど快適だ。できればPentium
4、Athlon XP以降のCPU、512MB以上のメモリを用意したい。 |
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CPU:Pentium 4、Athlon XP以降
メモリ:512MB以上
HDD:10〜20GB以上の空き容量
DVDドライブ:
DVD±R 書き込み8倍速以上
OS:Windows XP/2000 |
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DVD Decrypterはリッピングツールとしてはかなり早い時期に登場し、バージョンアップを繰り返してきた定番ツールだ。CSS解除の能力には定評があり、特殊なディスク以外なら不便は感じないだろう。
シンプルなインターフェースながら機能は充実していて、リッピングはFILEモード(VOBファイル単位)、IFOモード(チャプター単位)、ISOモード(ディスクイメージ全体)の3パターンが用意されている。今回は触れていないが、IFOモードでは必要な音声や字幕を選んでリッピングすることも可能だ。また、ISOファイルを書き込むライティング機能も搭載している。
各動作モードにおいて、かなり細かく設定が行なえるのもDVD
Decrypterの特徴と言える。実際にはほぼデフォルトの状態で利用できるが、起動時の挙動や保存先の自動生成、巨大なファイルの自動分割、ほかのツールとの連係など、きめ細かな設定項目が揃っている。この辺りもパワーユーザーに支持されているポイントだろう。
日本語化パッチも用意されているため、一度使い方が分かれば迷うところはないはず。残念なことにすでに開発が終了しており、今後新たに登場する記録型DVDドライブへの対応などに少し不安が残る。また、一部メーカー製ドライブと相性が悪いという報告もあるので、別のライティングソフトを持っているなら、ムリにDecrypterの機能を使う必要はない。 |
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DVD Decrypter 3.5.4.0 |
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作者:LIGHTNING UK!
種別:フリーソフト
対応OS:Windows XP/Me/98/2000
URL:開発中止(国内外に多くのミラーサイトあり) |
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DVD Decrypter 日本語化パッチ |
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作者:katgum
種別:フリーソフト
URL:http://www.nihongoka.com/ |
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(1)インストーラを起動して実行するだけなので、迷うところはない。インストールオプションはFull、インストール先はデフォルトのままでよい |
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(2)デスクトップアイコンとクイック起動ツールバーにアイコンを置きたくないなら、チェックボックスを二つとも外す |
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セットアップの最後に「新しいバージョンの存在を自動チェックするか」というダイアログが現われるが、すでに開発が終了しているので、アップデートのチェックをする必要はない |
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日本語化キットを解凍すると、パッチ本体とドキュメントが現われる。このままダブルクリックしてパッチを起動する |
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パッチ適用先のフォルダを指定して、アップデートボタンを押す。デフォルトでDVD
Decrypterの標準インストール先が入力されているので、通常はそのままボタンを押すだけでよい |
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(1)初回はファイル単位のリッピングを行なうモードで起動する。すべてのファイルが選択された状態になっているので、このままでよければ即リッピングを開始してよい |
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(2)DVD Decrypterを起動すると、ドライブにセットされたDVD-Videoが自動的に読み込まれる |
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(3)出力先フォルダはDVD-Videoのラベル名を取得して自動で設定される |
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(4)DVDとHDDのアイコンは、リッピングを開始するためのボタン |
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ログウィンドウ。PCの環境やリッピング中の状況などが秒単位で記録される |
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各種設定の「一般」タブで、RCE保護リージョンに「2」を選ぶ。基本的に設定はほぼデフォルトのままで構わない |
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チャプターを指定したリッピングを行なうIFOモードの挙動を決める。ファイルの追加作成では、リッピング後に利用する各種ツールに対応した設定ファイルを出力するためのオプション |
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手順3の状態でリッピング開始のボタンを押せば、VIDEO_TSフォルダの中身が丸ごと吸い出せる。任意のチャプターだけを抜き出したいなら、IFOモードに切り換えて必要なチャプターにチェックを入れる |
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リッピングを始めると進行状況がプログレスバーで表示される。途中で作業を中止する場合は、赤いボタンを押す |
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(1)ISO形式のリッピングは、モードメニューから「ISO」−「読み込み」に切り換えてから行なう |
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(2)リッピングの開始はDVDとHDDのアイコンを押すだけ |
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DVD DecrypterにはISO書き込みの機能も用意されている。ブランクメディアをセットしたら、ISOファイルを指定すればよい |
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その名前からDVD Decrypterの後継にも感じるこのツールだが、直接関係があるわけではなく、Fengtao
Softwareが発売している有料ツール「DVDFab」シリーズのフリーソフト版という位置付けだ。標準で日本語環境も用意されているが、一部ダイアログなどに英語が残っている。
非常にシンプルなソフトで、機能的にはディスクの内容を丸ごとファイル(IFO/BUP/VOB)としてリッピングできるだけ。一部のファイルやチャプターを選択することはできず、逆に言えばリッピングした後で必要なファイルが抜けていた、というミスが発生しない。ほぼボタンを押すだけ、という簡素なインターフェースで設定項目も非常に少ないため、初心者にも優しいツールと言えるだろう。
また、かなり頻繁にバージョンアップが行なわれているため、DVD
Decrypterの開発が終了した今、今後に期待のかかるツールだ。 |
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DVDFab Decrypterは標準で日本語設定を持っているので、インストーラを起動したらプルダウンメニューから「Japanese」を選ぶ |
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インストール中にすべきことはとくにない。すべて初期設定のまま進めて問題ないだろう |
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初回起動時に設定ダイアログが現われる。インストール時に日本語環境を選んでいると、言語設定とリージョンは自動で選択される。つまり何も設定する必要はない |
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(1)このボタンから先ほどの設定ダイアログに入れるが、ほぼ利用することはない |
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(2)驚くほどシンプルなインターフェース。「資料」と書かれたボックスでDVD-Videoをセットしたドライブを選び、「目的」でリッピングしたファイルの保存先を指定するのだが、これも標準で選択済みになっている |
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(3)開始ボタンを押すとリッピングが始まる。 |
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VOBファイルを選んだり、チャプターを選択したりすることはできない |
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リッピングを始める直前に、指定したフォルダの中身がすべて削除される、というダイアログが表示される。以前にリッピングしたファイルが残っている場合は注意が必要だ |
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半自動2層→1層化もできるDVD
Shrinkで
非圧縮リッピングを行なう |
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メディア容量に合わせた圧縮もできる高機能ツール |
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DVD Shrinkの特徴は、単なるリッピングツールにとどまらず、エンコード/オーサリングツールとしての一面も持っていることだ。たとえば片面2層のDVD-Videoからリッピングした場合、当然そのままでは1層のDVDメディアに収まらない。そこでほかのツールを使ってファイルサイズを圧縮する作業が必要になるのだが、このツールにはDVD-Videoの形式そのままに、1層メディアの容量に合わせて自動的に圧縮する機能が備わっている。詳しい手順は次のページで紹介するが、字幕や音声を削除してDVD-Videoを再構築することも可能だ。
もちろん圧縮を行なわず、オリジナルのままリッピングをしてもよい。その場合は「圧縮設定」タブのビデオで非圧縮を選んで、すべての音声と字幕にチェックを入れる。ただし、この設定は左側で選択できる「メニュー」、「メインムービー」、「特典」のそれぞれの項目に独立して適用されるため、ディスク全体に対して設定しておくこと。 |
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起動時に自動的にDVD-Videoを読み込んでくれないので、「ディスクを開く」ボタンをクリックする |
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DVD-Videoを読み込んで、分析が行なわれる。「ビデオプレビューを有効にする」をチェックしておくと、分析時にDVD-Videoの映像が表示される |
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(1)「圧縮設定」タブの項目はここで選択中の対象に個別に適用されるので、ディスク全体を選択しておく |
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(2)ビデオのプルダウンリストから「非圧縮」を選択し、音声と字幕にすべてチェックを入れておく。未選択の項目があると、左側の再生時間/サイズの数値が青字になる |
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(1)「出力先デバイスの選択」と「DVDファイルの出力先フォルダを選択」で、リッピング後の保存場所を指定する |
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(2)「VIDEO_TSフォルダとAUDIO_TSフォルダを作成する」にチェックを入れておくと、DVD-Videoのフォルダ構造がHDDにそのままコピーされる |
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(1)「リージョンフリー」にチェックを入れると、リッピングの段階でリージョンフリー化を行なう |
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(2)設定がすべて完了したら、「OK」ボタンを押してリッピングを開始する |
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片面2層のDVD-VideoはDVD±R DLでバックアップするのが理想だが、DLメディアはまだ気軽に購入できる価格とは言えない。そこで注目したいのが、1層サイズに映像を圧縮するトランスレートだ |
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トランスレートの速さはメーカー独自のノウハウによる |
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ディスクサイズが8.5GBの片面2層ディスクをそのままバックアップするには、同じディスクサイズのDVD±R
DL(片面2層)メディアが必要だ。とはいえ、DLメディアは選択肢が少なく、1枚あたり1,000円前後とまだまだ高価なので、気軽にバックアップに使うというわけにもいかない。また、DL対応のドライブを持っていないというユーザーも多いだろう。そこで注目したいのがトランスレートだ。
トランスレートとは、その名のとおりbitレート変換を指す言葉で、DVD-Videoディスクの圧縮バックアップに対応するソフトでは、必ずこの機能が搭載されている。
たとえば、MPEG2のエンコードは映像を8×8ドットのブロックに細かく分けて離散コサイン変換(DCT)を行ない、画素を並べ換えることで情報を圧縮しやすい状態にする。その上で画像データの圧縮を行なって、デコード(再生)時に逆の手順を踏むわけだ。単純な再エンコードだと並び換えた画素をもとに戻す逆離散コサイン変換(iDCT)まで行なうが、これでは処理に時間がかかる。トランスレートの場合はDCTで並び換えたあとの情報をさらに圧縮することで低レート化するので、より高速な出力が可能になっている。ただし、実際にどこまでの処理を行なうかはメーカー独自のノウハウになるので、処理速度はソフトによってバラつきがある。 |
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ソフトによっては圧縮率をタイトルごとに変更したり、音声や字幕の取捨選択ができたりなど、ファイルサイズを抑えるための工夫を凝らしている場合もある |
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【画質比較】
bitレートが下がると画質はどう変わる? |
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トランスレートは、隣り合う画素間で輝度の差が激しい部分などを中心に情報を間引いていくため、映像品質の劣化はあまり目立たない。とはいえ、極端に圧縮率を上げていけばその違いは一目で分かるようになる。左はビデオbitレートがVBR
6MbpsのMPEG2で、右はその映像を1/3のサイズに圧縮した映像だ。オリジナルに対して明らかに粗く、色もにじんでしまっている。 |
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MPEG2 6Mbps
圧縮が難しい部分ではノイズが乗ってしまっているが、スロットの表現はできている |
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MPEG2 2Mbps
細かい穴を表現し切れず、全体的にモザイク状になってしまっている |
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手軽に2層ディスクを1層サイズに変換するための
トランスレートソフトカタログ |
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DVD-Videoの映像をiPod/PSPで楽しめる |
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インタービデオジャパン |
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DVD Copy 4 Platinum H.264 Edition |
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標準価格:14,700円 |
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問い合わせ先:045-226-3899
URL:http://www.intervideo.co.jp/ |
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DVD-Videoディスクのバックアップ機能を中心に、DVD-Videoを楽しむ、活用するためのさまざまな機能を搭載したDVD活用ツール。バックアップはトランスレートによる映像の圧縮や分割に対応し、ライティングエンジンの搭載によりDVDメディアへ直接書き込めるようになっている。このソフトのポイントは多機能なことで、WMVやDivXの映像をDVD-Video化できるほか、DVD-Videoディスクの映像をH.264やMPEG4などのビデオフォーマットで出力可能だ。第5世代iPodやPSPを使って、DVD-Videoの映像を楽しむことができる。 |
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ソースネクスト |
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PowerDiscDVD DoubleLayer |
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標準価格:1,980円 |
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問い合わせ先:03-5350-4844
URL:http://www.sourcenext.com/ |
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ソースネクストが展開する1,980円シリーズのラインナップの一つとして登場したDVDバックアップソフト。低価格ながらDVD-Videoディスクのリッピング(CSS解除には非対応)から書き込みまでバックアップに関するすべての処理に対応しており、ソフト名にもあるとおり、片面2層のDVD-Videoディスクのバックアップにも対応している。片面2層のディスクをバックアップする場合には、トランスレートによる圧縮を行なえるほか、バックアップする映像や字幕、音声の選択も可能だ。機能豊富ながら、コストパフォーマンスの高さが最大の魅力だ。 |
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ソニック・ソルーションズ |
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Easy DVD Copy |
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標準価格:8,800円 |
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問い合わせ先:03-5441-7210
URL:http://www.roxio.jp/ |
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DVD-Videoディスクのバックアップに加えて、DVD-ROM/CD-ROMディスクのバックアップにも対応する。ライティングエンジンにはロキシオの「Easy
Media Creator 7」のエンジンを採用しており、CD-ROMのバックアップを行なう場合は、バックアップするディスクの情報をそのまま記録するRAWモードの使用も可能だ。また、Easy
DVD Copyでは出力先ドライブとして複数のドライブを指定でき、複数のドライブを搭載したPCでバックアップを行なう場合、セットしたディスクに同時に書き込めるようになっている。 |
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デジオン |
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DVD Smart Edit |
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標準価格:9,800円 |
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問い合わせ先:092-833-6279
URL:http://www.digion.com/ |
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DVD-VideoやDVD-VR、DVD+VRディスクから映像を取り込んで編集し、再びDVD-Videoとして出力できるビデオ編集ソフト。映像の編集はGOP単位で、フレーム単位での調整は行なえないが、DVD-VR/DVD+VRディスクの内容を直接変更できるオンディスク編集や、MPEG/WMVフォーマットでのファイル出力など、豊富な機能を搭載する。DVD-Videoのバックアップも可能だが、どちらかと言えばDVDレコーダで蓄積した映像を活用したいという人に役立つソフトと言える。 |
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ホロン |
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DaViDeo 5 VR PRO |
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標準価格:13,440円 |
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問い合わせ先:03-5440-0869
URL:http://www.holonsoft.co.jp/ |
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DVD-Videoディスクのバックアップに加えて、DVD-VRディスクをDVD-Video化して出力する機能を持つ「DaViDeo5
VR」の上位版。DaViDeo5 VRとの違いは「映像の編集機能」と「コンバート機能」を搭載する点で、編集機能は読み込んだディスクの映像をフレーム単位でのトリミングでき、コンバート機能はDivXやWMV、MPEGフォーマットでのファイル出力をサポートしている。低bitレートの規格外MPEGデータをCDに記録するホロン独自の「Hyper
VideoCD」にも対応している。 |
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ライブドア |
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DVDコピり太郎 |
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標準価格:8,379円 |
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問い合わせ先:sales@pro-g.co.jp
URL:http://pro-g.livedoor.com/ |
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DVD-Videoディスクのバックアップに特化したDVDバックアップソフト。簡単な操作をセールスポイントとしており、各種機能を実行するための大きなボタンを採用したユーザーインターフェースなど、徹底的に分かりやすいウィンドウ構成になっている。片面2層ディスクはトランスレートで1層ディスクサイズにフィットさせられるほか、分割バックアップにも対応している。なお、トランスレートを実行する場合は、出力する映像のトランスレート設定をマニュアルで変更することも可能だ。 |
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※ここで紹介している市販ソフトは、いずれもCSSの解除機能を搭載していません。 |
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DVD Shrinkのポイントは、DVD-Videoに記録されている映像データを圧縮して2層ディスクのデータを1層に収まるよう圧縮(トランスレート)したり、必要な映像/音声だけを選んでディスクを再編集したりなど、フリーソフトながら市販のソフトに匹敵する機能を搭載していることだ。これらの機能を駆使すれば、市販DVD-Videoで一般的な片面2層のディスクも、片面1層のDVD-Rなどに収まるサイズに簡単に圧縮できてしまう。
DVD Shrinkにはライティング機能が用意されていないので、DVD-Videoのディスクイメージを1層サイズに圧縮して出力した後は、別のツールを使って書き込みを行なう必要がある。ちなみに、ライティングソフトの「Nero」と連係できるので、システムにNeroがインストールされた環境なら、リッピングからディスクへの書き込みまで、すべての作業をDVD
Shrink上で実行できる。
さてここでは、DVD Shrinkの代表的な用途と思われる2層→1
層変換の手順を紹介していく。有志によって日本語化されたバイナリが存在するので、日本語化パッチを当てる必要はなく、各種設定も初期状態でほぼ問題ない。唯一、ディスクの読み込みだけは手動だが、とくに悩むような手順はないだろう。
なお、不要なデータを省いて容量を節約できるディスクの再編集については、下記で紹介している。映像をできれば再圧縮したくないという場合は、こちらの方法を試してみてほしい。 |
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Chappu氏のWebサイトからDVD
Shrinkの日本語版を入手できる |
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(1)初回起動時に各種設定をしておく。この五つのタブで、トランスレートする際に目標とするディスクサイズやプレビューで使用するビデオレンダラ、VOBファイル分割の可否などを設定できる |
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(2)初期状態で目標圧縮サイズは片面1層の「4.7GB」に設定されている。値を入力するカスタム設定も可能だ |
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DVD Shrinkのメインウィンドウ。上部のメニューボタンからは、DVD-Videoディスクやイメージの読み込み、バックアップなどが行なえる |
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ドライブを指定してDVD-Videoを開くと、ディスクの分析が行なわれる。この処理はディスクの内容やPCのスペックにもよるが、数分かかる |
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(1)HDDに生成するディスクイメージのサイズを示すバー。先ほどの設定で指定したディスクサイズを基準として、そのサイズ以内であれば緑色になるが、オーバーしていると、余剰分が赤く表示される |
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(2)出力するディスクイメージの状態とファイルサイズを表わす。右側の領域で未選択の項目があるとサイズが青字で表示される |
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(3)ビデオの圧縮設定には、指定したディスクサイズに合うようにトランスレートを行なう「自動」のほか、トランスレートしない「非圧縮」、圧縮率をユーザー自身で決定する「カスタム」などがある。カスタムを指定した場合、圧縮率を数値かスライダーで選択する |
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(4)選択したタイトルの映像を、ここでプレビューできる。操作は再生と停止、再生位置の変更のみとシンプル |
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「バックアップ!」ボタンからトランスレートを開始する。リージョンが指定されているDVD-Videoの場合には、リージョン除去に関するダイアログが表示される |
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ファイル生成前に、出力先のフォルダなどを指定するダイアログが表示される。出力に関するオプションの指定はすべてここから行なう |
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「OK」ボタンを押せば、映像のトランスレートとディスクイメージの作成が始まる。DVD
Shrink自体にはライティング機能がないので、別のツールを併用しよう |
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ここで紹介した手順では、バックアップ元のディスク構造そのままに1層の容量に収められるが、画質劣化が避けられないというデメリットがある。そこでDVD
Shrinkをはじめとする多くのDVDバックアップソフトでは、ソースとなるDVD-Videoから特典映像や一部の音声を削除して再編集することで容量を節約し、肝心な本編部分の圧縮率を下げるという手段を用意している。 |
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(1)「再編集」ボタンを押すと、DVD-Videoの内容がウィンドウ右側の「DVDブラウザ」に表示される |
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(2)DVDブラウザで残したい映像を選び、ドラッグ&ドロップで左側の領域に登録する |
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インターコムの「Super DVD Zcopy 4」は、DVD-Videoのバックアップ機能を中心に、オーサリングやビデオ編集などの機能を統合したシリーズだ。ここで取り上げるのはDVDバックアップに機能を絞った「Super
DVD Zcopy 4 Plus」で、片面2層のディスクをトランスレートすることで片面1層に収まるサイズに圧縮するモードをはじめとして、複数のディスクに分割したり、複数のディスクを1枚に統合したりと、目的に合わせて多彩なモードが用意されている。
Super DVD Zcopy 4のポイントは直感的なユーザーインターフェースで、ウィンドウやダイアログのところどころでアイコンやグラフが効果的に取り入れられている。また、ウィンドウの左側には作業全体に対する現在のステータスが表示されるので、作業の流れを把握しやすい。バックアップ手順は対話形式で進行するウィザード型なので、DVD-Videoのバックアップに慣れていない初心者にも概念が分かりやすい構成となっている。
トランスレートエンジンの「Super MPEG2 Transcoder」は、ペガシスのDVDオーサリングソフトで採用されるなど評価が高く、高速。また、映像だけでなく音声をリニアPCMからMPEG1
Audioに変換できるなど、可能な限り映像品質の劣化を抑える仕組が組み込まれている。
なお、ダウンロード販売専用ではあるが、ほぼ同じ機能を持つ「Super
DVD Zcopy 4」(6,300円)も用意されている。
ここでは、Zcopy 4 Plusを使って片面2層のDVD-Videoを1層サイズに圧縮する際の手順を紹介していこう。 |
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(1)プログラムを起動すると、目的別のメニューが表示される。DVD-Videoのバックアップは、トランスレートで映像を圧縮するほか、複数枚のディスクに分割したり、複数枚のディスクを一つにまとめたりできる |
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(2)DVD-Videoに収録された映像をMPEG2ファイルとして出力することも可能だ。シーンのトリミングなどビデオ編集を行ないたい場合に重宝する |
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(3)オプションでは出力時に目標とするディスクサイズや連係するライティングソフトの指定が行なえる |
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メインメニューで「バックアップナビゲーション」を選択すると、データの読み込み先とデータの作成方式を選ぶ画面に移る。なお、CSS解除はできないので、市販DVD-Videoの場合は別途リッピングしておく必要がある |
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(1)トランスレートで映像を圧縮してバックアップするモード。メニューなどの構造を維持したまま、2層ディスクを1層のディスクに記録できる |
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(2)読み込んだDVD-Videoから、映像や音声を選択してバックアップするモード。ディスク丸ごとではない分、映像はオリジナルに近い品質でバックアップできる(p.85手順5へ) |
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(3)DVD-Videoの映像を複数枚のディスクに分割してバックアップするモード。片面2層のディスクを2枚のディスクに分割して記録する場合に利用する |
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(1)読み込んだDVD-Videoディスクの情報が表示される。オプション設定で目標のディスクサイズを4.7GBにしているため、超過する部分が赤いグラフで表示されている |
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(2)「詳細選択」ボタンを押すことで、バックアップする音声や字幕の絞り込みを行なうウィンドウが現われる |
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(3)オリジナル/圧縮後のプレビューを表示するためのダイアログ。プレビュー可能な範囲はそれぞれシーン冒頭の10秒程度だが、圧縮率を決定する際の参考になる |
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(4)ここで圧縮率の設定を行なう。グラフのスライダーか数値入力によって圧縮率を変えられる。オリジナルに対する圧縮比も表示される |
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(1)同梱のライティングソフト「B'7s
Recorder Gol7d」が導入されていると、「ハードディスクへ出力する」タブに加えて、ライティングタブが追加される |
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(2)「コピー開始」ボタンを押すと、ここまでで設定した情報をもとにトランスレートが始まる |
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(1)全体のバックアップ処理とトランスレート処理の進捗を示すグラフ。残り時間の目安も確認できる |
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(2)処理の一時停止/中断ボタンの下に、システムにおける処理の優先度を変えたり、処理終了後にWindowsをシャットダウンさせたりする設定が用意されている |
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(1)「(2)入出力の設定」で「保存する映像や音声を選択」を選んだ場合は、タイトルやチャプターを選んでディスクを再編集できる |
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(2)タイトルを再生し終わった際の挙動を決定する。タイトルごとに再生を停止するか、次のタイトルを続けて再生するかを選べる |
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(3)「詳細選択」ボタンを押すと、選択したタイトルのチャプターや音声、字幕の絞り込みを行なえる |
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Intel Macにも対応したハイブリッド仕様 |
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DVD2one2は、簡潔なインターフェースにトランスレートやライティング機能を統合したDVDバックアップソフト。
今回操作手順を紹介した中で唯一DVDライティングエンジンを搭載し、別途ライティングソフトを導入する必要はない。ただし、やはり市販ソフトなのでCSS解除機能を持たないため、作業の前に別途リッピングしたディスクイメージを用意する必要がある。
ユーザーインターフェースが簡潔過ぎるせいか機能を把握しづらく、情報不足の感は否めない。慣れてしまえば気にならないだろうが、改善の余地ありだ。なお、DVD2one2はハイブリッド仕様で、WindowsだけでなくMac
OS X(PowerPC/Intel Core両対応のUniversal Binary)にも対応している。Macユーザーにとっては貴重な存在と言えるだろう。 |
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DVD2one2は初回起動時に限り、設定ウィンドウが表示される。出力先の記録型DVDドライブの指定などを確認しておきたい |
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(1)本編、メニュー、特典映像などディスク丸ごとトランスレートする場合はこのボタンから
(2)一部のタイトル、チャプターを選んでバックアップする場合はこのボタンを押す |
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(1)読み込んだDVD-Videoディスクイメージに関する情報や出力設定が表示されている。この画面では、出力ファイルサイズが4.33GB、圧縮モードが品質重視だということが分かる |
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(2)「設定」を選択すると、ウィンドウ右側の領域がトランスレート後の出力先や圧縮モードを確認するためのインターフェースに変わる。圧縮モードは、映像品質を重視する「品質重視」と処理時間を最優先に作業を行なう「速度重視」の二つ |
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(3)DVD-Videoに収録された音声のうち、残したいものを選択する。音声データは意外とファイルサイズが大きいので、容量の節約に有効だ |
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設定を終えたら、緑色の丸ボタンを押すと出力とライティングに関するダイアログが現われる。DVD2one2がサポートする出力方式は、DVD-Videoのファイル全体をHDDに出力する「ファイルセット」、ディスクイメージを一つのISOファイルにまとめる「イメージ」、そして直接DVDディスクに書き込む「書き込み」の3種類だ |
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DVD-Videoで採用されているMPEG2は、高画質な半面そのままではファイルサイズが大きく、扱いづらい。そこで、よりコンパクトな動画形式に変換するのがトランスコードだ。 |
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MPEG4コーデックならファイルサイズもコンパクト |
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MPEG2のbitレートを変更して動画をさらに圧縮するトランスレートに対して、オリジナルのフォーマット(DVD-Videoの場合はMPEG2)から異なる動画形式(ビデオコーデック)に変換するのがトランスコードだ。ここ1年ほどでiPodやPSPなどのポータブル機が相次いでMPEG4系の動画再生に対応したことで、にわかに注目を集めている。DVD-Videoの2層データを1層サイズに変換することをトランスコードと表現するケースもあるようだが、この特集では前述の定義で話を進めたい。
トランスコードを行なうことの最大のメリットは、HDDを圧迫しがちな巨大な動画データをコンパクトに扱えることで、CD-R
1枚に長時間収録したり、ポータブル機を使って外出先で視聴したりできる。
そこでまず考えなければならないのは、変換するビデオコーデックに何を選ぶかだ。PC上の動画ライブラリをコンパクトにしたいというならともかく、ポータブル機は再生可能な形式と解像度が決まっているケースが多い。ポータブル機への対応をうたうソフトを使うのが確実だろう。
MPEG2からMPEG4系のコーデックへ変換する場合に覚悟してほしいのは、どうしても画質が落ちてしまうということだ。ポータブル機でしか見ないつもりなら解像度が低くても違和感は少ないが、主にPC上での再生が中心なら、できるだけ高い解像度を維持したほうがよい。 |
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DVD-VideoはMPEG2形式で映像を記録しているが、リッピングしてVOBファイルに対応したツールを使うことで、コンパクトに変換できる |
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【画質比較】
コーデックを変えて解像度を落としてみる |
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左がMPEG2 8Mbps(640×480ドット)の動画で、右はフレームサイズをQVGA(320×240ドット)に変更した上でH.264(MPEG4
AVC)の1Mbpsへトランスコードしたもの。右は、解像度が下がったことで細部の表現が省略され、たとえば中央下のアームの基部にあったディティールが分からなくなっている。トランスコードを行なう以上、画質の劣化はどうやっても避けられないため、ある程度の妥協が必要と言える。 |
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MPEG2 8Mbps
ディスク中央のパーツに表現されたくぼみがハッキリと分かる |
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H.264 1Mbps
ディティールは曖昧になり、シャープさも失われているが、QVGAとしては健闘している |
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第5世代iPodやPSP、ニンテンドーDSに対応した
トランスコードソフトカタログ |
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アップルコンピュータ |
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QuickTime 7 Pro |
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標準価格:3,400円 |
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問い合わせ先:0120-27753-1
URL:http://www.apple.com/jp/ |
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多くの携帯電話で動画フォーマットとして採用されている3GPP/3GPP2、iPodで再生可能なH.264に対応するマルチメディアエンコーダ。iPod用動画変換プロファイルが用意されているので、iPod向けならボタン一つですむ手軽さがある。ビデオの編集機能も持っているので、自分でCMカットしたり好きなシーンのみを変換したりすることが可能だ。フリーソフトの通常版と違ってアップルのオンラインストアでライセンスキーを購入する必要があり、パッケージ販売は行なわれていない。 |
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インタービデオジャパン |
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iVideo To Go for iPod/PSP |
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標準価格:各6,279円 |
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問い合わせ先:045-226-3899
URL:http://www.intervideo.co.jp/ |
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同社の「DVD
Copy 4 Platinum H.264 Editon」をベースにiPodとPSPへのファイル変換に特化したもので、iPod用とPSP用の2種類のパッケージが用意されている。変換できるビデオ形式はMPEG4とH.264。変換作業は変換元の指定、変換先フォルダの指定、フォーマットと圧縮率の三つを指定するだけとシンプルで使いやすい。DVD-VideoやDVD-VRからの変換も行なえ、チャプターごとに分割することもできる。PSP版ではサムネイルファイルの自動生成やPSP向けファイル/フォルダ名の自動生成も可能だ。 |
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カノープス |
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なんでも換太郎 |
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標準価格:10,000円前後 |
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問い合わせ先:078-992-5846
URL:http://www.canopus.co.jp/ |
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テレビキャプチャカードなどのハードウェアメーカーとしても知られるカノープス製トランスコードソフト。iPodやPSPといったメジャーなポータブル機だけでなく、W-ZERO3やザウルスなどのPDA、ニンテンドーDS(プレイやん)など、対応する製品が豊富な点が特徴だ。インターフェースは変換元の動画と再生するポータブル機を指定して変換開始ボタンを押すだけとシンプルなので、初心者でも簡単にトランスコードが行なえる。HDVカメラからキャプチャしたデータを変換できるのもカノープスならではと言える。 |
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サイバーリンク トランスデジタル |
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PowerEncoder MPEG-4 AVC Edition Portable |
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標準価格:9,030円 |
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問い合わせ先:0570-088-159
URL:http://software.transdigital.co.jp/ |
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H.264(MPEG4
AVC)やDivXのエンコードが可能な「PowerEncoder MPEG-4 AVC
Edition」に、PSP用メモリースティックビデオフォーマットであるMPEG4
SP変換機能を追加したソフト。読み込み可能なファイルはAVIやMPEG1/2、DVD-Video、DVD-VRなどで、6倍速DVプレビューやDVバックキャプチャを装備するなど、DVカメラ関連の機能が充実している。複数ファイルの一括変換や結合して一つの動画ファイルとして出力することも可能なので、多くの動画ファイルを変換する人には使い勝手がよいソフトだろう。 |
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ソニー |
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Image Converter 2 Plus |
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ダウンロード価格:2,100円 |
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問い合わせ先:0570-00-3311
URL:http://www.jp.sonystyle.com/ |
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AVIやWMVファイルを、PSP向けに最適化したメモリースティックビデオ形式へ変換するソニー純正のトランスコードソフト。ソニースタイルでダウンロード販売されている。MPEG4、H.264形式をサポートし、対応bitレートはMPEG4が96〜768kbpsの4段階で、H.264が384/768kbpsの2段階。最高レートの768kbpsはQVGA/30fps/ステレオだが、これ以外ではフレームレートや解像度が低くなる。なお、H.264をサポートしない低価格版の「Image
Converter 2 ver.2.1」(ダウンロード価格:1,000円)は、4月27日で販売が終了している。 |
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ペガシス |
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Movie to Portable |
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標準価格:6,800円 |
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問い合わせ先:03-5624-2161
URL:http://www.pegasys-inc.com/ja/ |
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同社のMPEGエンコーダ「TMPGEnc」シリーズの動画読み込み機能を搭載するポータブル機向け動画変換ソフトで、対応製品はPSP、iPod、PDA(WMV形式)、プレイやんシリーズなど。DVD-VideoやDVD-VRディスクからの読み込みにも対応しており、DVDレコーダで記録したデータも変換することができるが、著作権保護が施されたディスクには対応しない。フォルダ監視機能を搭載し、指定したフォルダに動画ファイルが追加されると自動的に変換作業を行なってくれるため、録画した番組を通勤中に見るような人には便利なツールである。 |
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※ここで紹介している市販ソフトは、いずれもCSSの解除機能を搭載していません。 |
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テキストエディタを使えば独自プロファイルの作成も可能 |
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MPEGやAVI形式の動画を、携帯電話やPSP上で再生可能な動画形式に変換してくれるソフト。H.264にも対応している。動作にはQuickTime
Authoringモジュールが必須なので、あらかじめフリー版のQuickTime
7以降をインストールしておく必要がある。
変換はファイルをドラッグ&ドロップするだけで、解像度とbitレートを組み合わせたプロファイルが多数用意されているため、手軽に携帯電話やPSP向けの動画ファイルを作成できる。
テキストエディタなどで設定ファイルを作れば、任意のbitレートや解像度を指定することも可能だ。フリーソフトなので、とにかくローコストで携帯端末用動画を作りたいという人にオススメだ。 |
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初回起動時はまずsetup.exeを実行し、変換したい動画のタイプを選ぶ。携帯電話やPSP、iPodなど機種別の設定があるので、これをもとに選べば迷うことはない |
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(1)右クリックメニューからオプション設定が選べる。変換後のファイル名の生成規則の指定も可能だ
(2)登録したファイルの変換がすべて終了した場合に、外部プログラムを起動することができる。携帯動画変換君自体の終了も可能 |
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(1)変換プロファイルを決定すると、自動的に携帯動画変換君の本体が起動する。ウィンドウ上部は変換元のファイルを登録するエリア
(2)選択したプロファイルの中から、さらに解像度とbitレートを選択する |
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必要なら作成する動画ファイルの出力先を指定しておく。デフォルトでは変換元ファイルと同じフォルダに作成される |
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変換したい動画を携帯動画変換君へドラッグ&ドロップすると、自動的に動画変換がスタートする |
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使いやすさと高画質で熱い支持を受ける
国産エンコーダのTMPGEnc 4.0 XPress |
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ペガシスの「TMPGEnc 4.0 XPress」は、長い間多くのユーザーの支持を得ている定番MPEGエンコーダの最新バージョンだ。出力フォーマットもMPEG1/2だけでなく、AVIやWMVに対応し、本バージョンからH.264とHDVの2形式もサポートすることでより利用用途が広がった。また、出力コンテナの種類に「iPod」や「ポータブルゲーム機器」が用意されるなど、視聴環境に合わせたトラスンスコードも可能になっている。
ハイエンドユーザー向けにハイビジョン規格に準拠したMPEG2
TS(MP@HL 1,920×1,080ドット)の出力やDolby Digital音声出力を標準サポートするなど、編集機能や強力なフィルタと合わせて、本格的な動画編集にも耐え得る仕様だ。1本で長期間、継続して使い続けられる万能ソフトと言える。 |
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(1)エンコード手順は三つのステップで構成されている。現在のステップを示すと同時に、前後の手順に移動するためのボタンになっている
(2)映像と音声の分離/合成などが行なえる「MPEGツール」や、複数のファイルをまとめてエンコードする「バッチエンコード」などを起動できる |
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(3)「新規プロジェクト」ボタンを押せば新規のエンコード設定が行なえる。手順はすべてウィザード形式だ
「入力設定」の手順では、ドラッグ&ドロップなどで変換したいファイルを登録する。DVDレコーダで録画したDVD-Video/DVD-VRディスクやWindows
XP Media Center Editionの録画ファイルの読み込みも可能だ |
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(1)ファイルを登録すると映像/音声フォーマットの情報が表示される。ウィンドウ上部のボタンを押して画面を切り換えることで、カット編集やフィルタ適用が行なえる |
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(2)メニューで「フィルター」ボタンを押せば、ノイズ除去や色調補正などが行なえる。重ねがけも可能だ |
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「出力設定」の手順では、まず出力フォーマットを指定する。WMVやMPEG4はここでストリーム種別などを設定する。AVI出力時のコーデック指定も可能だ |
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動画や音声のbitレート、画像サイズを詳しく指定する。計算ボタンを押すことで、出力ファイルサイズやメディアサイズに合わせてbitレートを自動計算してくれる |
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最後の手順は「エンコード」。左下のボタンを押すと、これまでの設定を反映してエンコードを開始する |
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ATIの「Avivo」は、動画をよりハイクオリティで楽しむためのテクノロジプラットフォームの名称だ。Avivoを構成する要素の一つとしてエンコードがあり、H.264やWMV9など主要ビデオフォーマットを用いたエンコード機能が用意されている。かなり高速なトランスコーダである上、フリーで提供されているので利用価値は高いと言えるだろう。
Avivoは「RADEON X1000」シリーズ以降のビデオカードの利用時のみサポートされているが、レジストリを書き換えることで旧モデルのRADEONシリーズでも動作が可能となる。また、動作には「CATALYST
Control Center」を同梱するディスプレイドライバが必要だ。変換フォーマット一覧にMPEG1/2やWMVのほかにiPodやPSPが用意されているなど、ポータブル機も意識した作りとなっている。 |
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X1000シリーズ以前のRADEONユーザーは、ATI
CATALYST Control Center(CCC)のInformation Centerで「2D Driver File
Path」のレジストリアドレスをメモしておく |
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レジストリエディタでメモした場所にある「Trans
code_NA」の値を0へ変更すればAvivoが利用できるようになる |
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CCCを起動し、Basicを選択して次に進むと、Avivoのウィザードがスタートする |
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(1)「Select Source」ボタンを押して、エンコード元となる動画ファイルを指定する |
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(2)読み込んだ動画ファイルの情報が表示される。bitレートの表示がbitではなくbyteになっているので注意 |
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(3)エンコードした後のファイルの出力先を指定する |
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(1)「Output Video Format」で出力するファイルのフォーマットを選択する。iPodやPSPのプロファイルも用意されている |
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(2)スライダーを左右に動かしてbitレートを決定。出力されるファイルのサイズが下にリアルタイムで表示される |
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(3)「Start Over」ボタンを押すとエンコードが開始される。速度はかなり早い部類なので、ポータブル機向け動画を外出直前に作る際などに便利だ |
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ウィザード形式で簡単トランスコードの
FairUse Wizardを使って字幕付き動画を作る |
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「FairUse Wizard」はDVD-VideoをAVIファイルなどの異なるコーデックの動画に変換するソフトだ。フリー版とシェアウェア版があり、ここで紹介するのはフリーのLE(Light
Edition)だ。
特徴はウィザード形式で簡単に作業が行なえることと、リッピングしたDVD-Videoの動画に字幕データを自動挿入してくれること。洋画を日本語吹き替えよりも字幕で見たいという人にとっては、重宝する機能だろう。字幕の挿入は位置調整が可能な上、リサイズをかけてもかなりきれいに仕上がる。また、エンコード中はCPU使用率を変更できるので、非力なマシンでバックグラウンドエンコードを行なっても、さほど重く感じないのがうれしい。 |
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操作はすべてウィザード形式になっており、最初はプロジェクト名の設定画面からスタート。オプションボタンで細かな動作設定ができる |
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コーデックはH.264(x264ライブラリ)とXviDがあらかじめ用意されているが、DivXなどをイントールしていればそちらも利用できる |
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(1)DVD-Videoの解析を行なった後、どの部分をHDDへリッピングするかを指定する。「長さ」の部分を見ればどれが本編かすぐに分かるだろう |
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(2)ディスクの内容すべてをリッピングするほか、選択したタイトルのみを抜き出すことも可能 |
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続いて、プレビューを見ながらトリミングと字幕の設定を行なう。字幕が複数あっても画面上で確認しながら選択できるのでまちがう心配はない。トリミングも自動選択でソフトまかせにして大丈夫だ |
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(1)コーデックの設定はファイルサイズ指定かQuatizer(量子化器)で行なう。Quatizerの値を上げるほど画質は下がるが、分かりにくければサイズで指定するのがよいだろう |
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(2)解像度の指定はここ。クリッピング次第では中途半端な数値が出てくるが気にしないでおこう。もっと解像度を上げたいなら「高解像度を使用する」にチェックを入れる |
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(3)チャプターごとにファイル分割をするならここにチェックを入れる |
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Bobインターレス解除やIVTC(逆テレシネ変換)を行なってフィールドを結合する。最適な設定は「検出」ボタンを押せば自動検出してくれるが、イレギュラーなものもあるので、心配なら自然結合モードでもよい。ここで「次へ」をクリックするとトランスコードが始まる |
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大量のDVD-Videoのトランスコードに最適 |
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「DVD2AVI Ripper」は、p.92のFairUseと同じく字幕を自動的に取り込んでトランスコードしてくれるソフトだ。FairUseがウィザード形式なのに対して、こちらはほとんどの設定が1画面で完結するシンプルなインターフェースを採用している。
設定項目もシンプルで、画面サイズとフレームレート、映像と音声のコーデック指定、音声と字幕の指定のみと必要最小限に抑えられている。そのためかbitレートやサイズなどの細かな設定はできず、生成されるファイルサイズもソフト任せだ。 また、リッピングしながらトランスコードを行なうため、中間ファイルのためにHDD容量を必要としないこと、エンコード時間が速いことも特徴と言える。大量にトランスコードを行なう場合に、この手軽さと素早さは重宝するだろう。海外ソフトながら、日本語もサポートされる。 |
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(1)左側のメニューで右側の領域が切り換わるWindows
XPのエクスプローラ風の作り |
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(2)リッピングに利用するDVDドライブは自動検出されないので、ここで指定しておく必要がある |
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(3)音声コーデックの指定。インストール済みのコーデックから選択する。デフォルトではMP3が選択される |
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(4)音声トラックと字幕の言語指定。字幕はOFFにすることも可能だ |
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(5)映像コーデックの指定。あらかじめDivXやXivDなどをインストールしておかないと、実用に耐えるコーデックが選べないので注意 |
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左のメニューから「エクスプローラ」タブを選択すると、保存先のフォルダを確認できる。複数のバックアップを取る際の進行状況チェックに便利 |
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(1)「設定」タブでは解像度とフレームレートを指定できる
(2)中央二つのプルダウンリストは搭載しているCPUの指定なので、マシン環境に合わせて設定する。チェックボックスはテレシネの検知指定だ |
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各項目の設定が終わったら、画面一番下のスタートボタンを押せばエンコードが始まる。エンコード状況はプレビュー下のスライドバーの位置で確認できる |
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フリーソフトを組み合わせて完璧な動画を作る
より高度なエンコードを実現するには? |
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ここまで紹介してきたツールはいずれもほぼオールインワンパッケージで、初期設定のままでも使えるものが大半だった。しかし、扱いに慣れてくると、bitレートを抑えつつ画質を高くしたい、CMなどの余分な部分をカットしたい、ノイズやゴーストを減らしたいといった欲求がきっと湧いてくるはずだ。
動画編集ツールとして長く定番の座を守っている「AviUtl」は、その名のとおりWindows標準のAVIファイルを作るためのソフトで、多くのユーザーがプラグインフィルタを提供しているため、さまざまな動画加工が行なえる。動作が軽く、操作はシンプルで、自分でコーデックを導入すれば、Huffyuv(可逆圧縮コーデック)、WMV(Windows
Media Video)、DivX、XivDなど好みの形式で出力できる。 |
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AviUtlを使うには、まずはドラッグ&ドロップなどで動画を読み込ませる。MPEG2を読み込むには、MPEG2対応VFAPIプラグインと市販のDVD再生ソフト(MPEG2デコーダ)が必要だ |
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(1)インターレース除去やノイズリダクション、リサイズ/クリッピングなど多くのフィルタがあるが、プラグインを集めればさらに機能が強化される |
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データの保存はAVI形式。インストール済みのコーデックを選択できるが、コーデックの設定プロパティを直接呼び出せるので、詳細なパラメータを指定できる |
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WMV9 VCM。MicrosoftのWMV9をAviUtlやTMPGEncなどからも利用できるようになる |
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DivX。最新バージョンはv.6.2。ユーザーが多く定番的存在の動画コーデックだ |
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XviD。オープンソースで開発されているフリーのコーデック。DivXの元開発者によって作られている |
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Huffyuv
v2.1.1。劣化のない可逆圧縮コーデック。作成されるファイルのサイズが巨大なので、中間ファイルとして使われることが多い |
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