本日午前10時58分05秒、サードチルドレンの発案により、


零号機と初号機とによる、目標甲及び乙のコアに対する同時攻撃を試みるも失敗。


同15秒、二体に分裂した目標甲の攻撃を受けた弐号機は活動停止。


同20秒、零号機は駿河湾沖に水没、初号機も小破。














WANDERING CHILD 第九話














「パイロット諸君、君達の仕事はなんだね?」

出張中のゲンドウに変わって、冬月が訓示する。

ブリーフィングルームには、先の第7使徒戦の模様が写されていた。

「エヴァの操縦、使徒を倒す事です」

「サードインパクトを防ぐこと。たとえ誰が引き起こすモノでも、どんな形のモノでも」

冬月はアスカの答えに満足するも、シンジの言葉に毒気を抜かれたように席を立った。



アタシがエースパイロットだ、そのために苦しい訓練にも耐えてきた。

アスカのその思いが『エヴァの操縦』という言葉に込められている。

『サードインパクトを防ぐ』『世界を護る』そんな純粋な思いだけでエヴァに乗るには、あまりにも訓練期間――使徒の来ない期間が長すぎた。

自然、目的は卑近なものになる。

「なんで、同時攻撃の相手にレイを選んだのよ!?パートナーに選ぶならアタシでしょうが」

操縦に関しては自分が一番だという思いがアスカにはあった。

チルドレンに選ばれた順番こそセカンド――つまり二番目だが、起動に成功したのは自分が最初でありその後の訓練に関しても最もキャリアをつんでいるという自負があった。

それを最初にチルドレンに選ばれたとはいえ、いまだに起動するのがやっとというレベルのレイをシンジが指名したことが、アスカには我慢でき無かった。

シンジのシンクロ率の高さは気にはならなかった。

まだ幼かった自分がパイロットに選ばれたのだ、何か機体との相性のようなものが有るのだとアスカは考えている。

もっともシンジの力を自然と認めることが出来たから、そのように考えることが出来たのだが。

それでも、操縦に関しては自分が一番だという思いがアスカにはあった。

「冗談じゃないわ!

こっちはライバルだと思ってやってるのに、アタシはそんなに信用できないってわけ!?」

「そんなんじゃないよ。アスカ」

「じゃあ、なんなのよ!どうせシンジは、あの人形みたいな……」

「アスカ!!」

「あ……ゴメン。今のは取り消す。

その、ちょっと感情的になっただけで、本気でそう思っているわけじゃないから……信じて」

「うん、わかってる」

レイもコクンとうなずく。

「アスカ……」

前回、レイとは練習無しでユニゾンすることが出来た事を思い出したシンジは、レイとの同時攻撃を仕掛けようと考えたのだ。

だが当然その事を話すわけにはいかない。

しかし、このところ言い訳のスキルが飛躍的にアップしつつあるシンジは言い訳をはじめる。

「アスカはまだこっちに来て間が無いじゃないか。

だからレイとのほうが、タイミングをあわせやすいと思っただけなんだ。本当にそれだけだよ」

ナイスだ、シンジ。

「ふん!まあいいわ。

とにかく、アタシとアンタはエースパイロットの座を争ってるライバル同士なのよ。

そこのところ忘れるんじゃないわよ!」

アスカは肩を怒らせながらブリーフィングルームを後にした。



ネルフ作戦部長室、通称ミサトの部屋の見通しは悪かった。

もともと散らかった部屋ではあるのだが、今はミサトの机の上にうずたかく積まれた書類が視界をさえぎっているのだ。

「はい、これが関係各省庁からの抗議文と被害報告書。ちゃんと目、通しといてね」

「読まなくてもわかってるわよ。ケンカをするなら他所でやれってんでしょ」

「御明察」

「使徒は必ず、私が倒すわ」

椅子に座って、口の前で手を組むゲンドウの御馴染みのポーズを真似るミサト。

「なにやってるのよ」

呆れ顔のリツコ。

「それで、あの使徒を倒す作戦は思いついたのかしら?」

「んー、やっぱりシンちゃんがやろうとした作戦が一番だと思う。

二つのコアに対する2点同時の荷重攻撃。

……って語呂がよかっただけで別に荷重攻撃じゃなくてもいいんだけど」

「そうね、妥当な判断ね」

「あ、そうだ。シンちゃんとレイの攻撃は何で失敗したの?肉眼だとほぼ同時に見えたんだけど」

「初号機のほうが0.38秒早かったわ、二人のタイミングはほぼ合っていたのだけれどね。

これは、テストタイプである零号機と、初号機の機体の性能差。

それと二人のシンクロ率の差が影響したわね」

リツコの言葉にミサトは考える目になる。

「つーことは、シンちゃんとアスカの組み合わせしかないってこと?」

「そうなるわね。後は、プログブナイフによる攻撃も関係しているわね」

「どゆこと?」

「つまり、攻撃が鋭すぎるのよ。点の攻撃だと、それだけ復元するまでの時間が短いのよ」

「それだけタイミングがシビアってこと?」

「そう。だから荷重攻撃が好ましいわね」

「なーる」

「あ、それと二人のタイミングを合わせるいい方法」

リツコは一枚のディスクを差し出す。

「さっすが、赤木リツコ博士。持つべきものは心やさしき旧友ね」

「残念ながら旧友のピンチを救うのは私じゃないわ。このアイデアは加持君よ」

「加持が?……」

ミサトは一瞬シカメ面になるが、すぐにやさしい顔になる。

リツコもまたそんなミサトをやさしい顔で見ていた。



「さっき引っ越しのトラックとすれ違ったし……」

シンジは、マンションのドアの前でしばらくためらっている。

「『ただいま』……って言うと、やっぱりそうか」

「遅かったじゃない、シンジ」

引っ越しの荷物を片付けているのだろう、ラフな格好のアスカが迎える。

「今日からアタシもここに済む事になったからね。

とりあえずアンタの荷物は物置のほうに放り込んでおいたから、とっとと片付けてアタシの荷物の整理手伝いなさいよ!」

「え、あ、うん。えっ!アスカが、何で?一緒に?」

前回と違う展開にシンジの目がまるくなる。

「アタシとアンタは、エースの座を争うライバルなのよ。

アンタ一人だけ、作戦部長と同居ってのはフェアじゃないでしょうが。

それでなくてもミサトは情に流されやすいところがあるんだから。

それにしても、ミサトは何やってんのかしら?」

絶妙のタイミングで、ラジカセを持ったミサトが姿を現す。

「早速うまくいってるじゃない」

「うわっ。ミサトいつからそこにいたのよ?」

「いつの間にかよ。そんな事より、今回の同居は今度の作戦の準備なんだから」

「えーと。どういう事よ?ミサト」

困惑顔のアスカに、ミサトは人の悪い笑みを浮かべて説明を始める。

「第7使徒には二つのコアに対する二点同時の荷重攻撃が有効だわ。

そのためには二人の強調、完璧なユニゾンが必要なの。

そこで音楽にあわせた攻撃パターンを覚えこむのよ。6日以内に。一秒でも早く」



アスカとシンジは日々、二人の完璧なユニゾンを目指して特訓を繰り返していた。

だが、今回もカタストロフィーはおこった。

「待って!アスカ!!」

今回は、アスカが走り出してすぐに追いかける事が出来た。

しかしアスカの足は速く、タッチの差でエレベーターのドアが閉まると、そこで決定的な差をつけられてしまった。

シンジは走りながら、今日の事を思い出していた。

それは些細な事がきっかけだった。

ユニゾンの訓練が始まってから三日目の今日、学校を休んでいたシンジにトウジとケンスケが、アスカにヒカリが見舞いに来てくれた。

やがて加持もひょっこり姿をあらわす。

アスカの事を心配して様子を見に来たということだが、先日の宴会の一件でシンジに興味を持ったというのも大きな理由だろう。

ユニゾンの訓練すでに90%以上の完成度といえた。

ただし、初日にこのレベルに達してから横ばいの状況がアスカをイラつかせていた。

アスカにあわせようとするシンジと、音楽にあわせようとするアスカ。

その違いはわずかではあるが、確かに存在していた。

何時ものアスカならそのことに、あるいは気付いたのかもしれない。

先の戦闘でシンジとレイとはすでに、パイロットのレベルではほぼ完璧なユニゾンを見せていた。

そのことがアスカをナーバスにしていたし、視野を狭めてもいた。

後は、誰かがほんの小さな引き金を引くだけで十分だった。



高台にある公園は、夕焼けに赤く染まる町が一望できた。

アスカは、その公園のベンチに腰掛けてうつむいている。

後ろから近づくシンジ。

「アス……」

「何も言わないで……分かってるわ。私にはエヴァに乗るしかないのよ。

それはわかってるの。でも何で?レイとはあんなに完璧なのに。

私じゃダメなの?私じゃ、シンジのライバルにもなれないの?」

アスカの姿は今にも消えてしまいそうに見えた。

シンジはアスカの隣に座ると膝に置かれた手に、そっと自分の掌を被せる。

「リツコさんは、僕と綾波のパーソナルパターンが似ているって言ってた」

「アンタとレイは相性がいいって言いたいわけ?」

言葉は刺々しいが、声に元気が無い

「そんなんじゃないよ。もしかしたら綾波とのほうが、相性はいいのかもしれない。

でもね、僕はアスカとユニゾンがしたい。

あの時はいきなりだったけども、今度は準備する時間がある。きっと出来るよ、僕たちなら」

「うん」

やっと聞き取れるぐらいの小さな声で、アスカはうなずく。

「それからさ、アスカ」

「うん」

「さっき言ってた事だけど、アスカ、間違ってると思う」

「えっ」

顔を上げると、アスカの目の前には今まで見たことのない顔をしたシンジがいた。

「アスカはエヴァに乗るしかないって言ってたけど、そんな事は絶対無い。

確かにエヴァに乗ってるアスカもセカンド・チルドレンもアスカだけど、それだけがアスカじゃない。

アスカはアスカなんだから。

何時も自分で言ってるじゃないか『アタシは天才』だって、

天才なのはセカンド・チルドレンじゃ無い、アスカだ。

だってアスカは……アスカは、『惣流・アスカ・ラングレー』なんだから」

「うん。……そう、そうよね」

だんだんアスカの声が力強くなってゆく。

「そうだわ。なんてったって、アタシは『惣流・アスカ・ラングレー』なんだから。

よしシンジ、特訓よ。傷つけられたプライドは十倍にして返してやるのよ!」

だんだん冷静さも、取り戻してゆく。

シンジの顔も、やさしい笑顔になる。

「いえ、むやみに練習してもしょうがないわ。

シンジ!あんたどんなところに注意してあわせてるの、細かいところまで教えてくれる?」

「うん。僕は、音楽もだけど、アスカの・・・・・」

二人の影は、夕日に照らされて長くのびていた。



「シンジ君、少しいいかい?」

それは、アスカが入浴中、ミサトはリビングでビールを飲んでいるときだった。

「そうだな・・・・・ベランダに出るか」

「あ、はい」

シンジは躊躇しかけるが、遅かれ早かれ避けられない事だと思い、ついていく事にした。

「あのお姫様を手なずけたんだから、どんな魔法を使ったんだい?」

「手なずけたなんて」

「ははは・・・・・ごめん、ごめん。それはそうと、話してくれるかい?君の事を」

シンジはしばらく逡巡していたが、やがて意を決して口を開く。

「今はまだ話せません。まだ話す決心がつかないんですよ」

加持は煙草を取り出すと火のついて無いそれを口にくわえる。

「そうか。ま、仕方ないさ」

おもむろに煙草に火をつけると、大きく吸い込んで吐き出す。

「それほどいろんな事を知っている訳じゃ無いんです」

シンジは加持のほうをチラと窺うと、目の前に広がる街の灯かりを見ながら話し始める。

第5使徒戦の後、街に灯かりが戻っていく風景がシンジの頭をよぎる。

(この街を、この街にすむ人を護らなくちゃ)

そんな思いになる。

「加持さんなら、そのうち自分で調べちゃうような事ですよ」

「そうか」

加持もまた、街の灯かりを眺めている

「このあいだ、ミサトさんの事を教えてもらいました。お父さんの事とか」

「あいつが、自分でか?」

加持は、少し意外そうな顔をする。

「ええ」

「そうか」

「だから、ミサトさんにはいずれ話すつもりです」

「give and takeか」

加持はシンジのほうに顔を向けると悪戯っぽい目になる。

「意外とゴシップ好きなのかな?」

「違いますよ」

シンジは苦笑する。

「加持さんが、真実を見極めようとしている事は知っています。

僕の知っている事を加持さんに話してしまうと、もっと核心に近い部分まで調べると思います。

でもそれは、同時に死の危険に近づく事を意味します。安易に話すわけにはいきません」

「そうか……シンジ君は、苦労性だな」

加持は器用にウインクをしてみせる。

「ははは……

昔、親しい人がいっぱい死にました。……もう見たくないだけです」

「そうか……茶化してしまって、すまなかったな」

「いえ」

「『ただ、興味があるから』と言っても信じてはもらえないのかな」

再び、街のほうを見る加持の顔は真剣だった。

「命よりも大事なものが、ですか?」

加持の横顔を見つめるシンジの顔も真剣なものになる。

それはシンジが、使徒を前にした時にだけ見せるものだった。

「難しい質問だな。

知らないですごす長い人生。

……いや、知らなくてもいいとあきらめてすごす安全な人生と、知りたいと思う危険な人生……」

「加持さんは、他の人の気持ちを忘れています。

僕は加持さんに死んで欲しくありませんし、アスカもそうだと思います。

何より、もし加持さんが死んだらミサトさんが悲しみます。ミサトさんが笑えなくなってしまいます」

シンジは、ミサトの虚ろで何処か悲しげな笑みを思い出す。

「危険な人生を否定するつもりはありません。

でも、自分の命も大切にしてください。それは、多くの人の思いも含まれているものなんですから」

「肝に銘じとくよ」

加持はシンジに笑いかける。しかし、その目は真剣だった。



「あ、えーと、それで、加持さん」

「ん、どうしたんだい?」

さっきとは打って変わったシンジの態度に、加持は興味深げな目になる。

「その、この間の宴会なんですけど、つまり、途中から記憶がはっきりしないんです。

それで、だから、僕……なんか言ってました?」

「ん……そうだな。リっちゃんの事をお母さんって呼んでいたな」

加持はニヤニヤとした笑いを浮かべる。

「えっ……」

思わず絶句するシンジ。

「まあ、他にもいろいろ興味深い話を聞かせてもらったよ」

「あ……そうだ、ミサトさんの部屋には盗聴器とかは……」

「ん?ああ、それは大丈夫だ。ミサトがそんな物を放っておくわけないだろう?

俺も、一応調べたけどな。心配しなくてもいいよ」

「そうですか。……とりあえず、お酒はダメですねえ」

シンジは、無駄だとわかっていながらも、笑って誤魔化す事しか出来なかった。

「シンジ君を酔わせたのは、確かにアルコールだ。

けれども、シンジ君をアルコールに酔わせたのはストレスだよ。

まだ話せないのはわかったけど、無理はいけない。これだけは覚えておいて欲しい」

煙草を消すと、加持は部屋に戻って行った。

シンジは、街の灯かりを眺めながら、加持の言葉を反芻していた。



そして特訓の日々が続く。

シンジはアスカを感じ、アスカはシンジを感じる。

やがて二人の息があってくる。

ステップ、キック、キック、ビート、タッチ……

そして……



「ミサトは?」

「仕事。今夜は徹夜だって、さっき電話が」

「じゃあ、今晩は二人っきりってワケね。

まったく、明日は決戦だっていうのにアタシがバカシンジに襲われたらどうすんのよ」

そういいながら、アスカは自分の布団を抱えると、ミサトの部屋に入っていく。

「いい?これはね、決して崩れる事の無いジェリコの壁。

この壁をちょっとでも越えたら。殺すわよ。子供は夜更かししないで早く寝なさい」

アスカはミサトの部屋のふすまを大きな音をたてて閉める。

シンジは前回、アスカが寝ぼけて自分の布団にもぐりこんできた事を思い出して赤くなる。

(今夜は、寝れるかな……)



結論:所詮シンジに、据え膳は食えなかった。



「ダメ、見てる……」

「誰が」

「誰って……

ダメ!ちょ、とにかく今はダメ」

ネルフ本部内のエレベーターでミサトと二人きりになった加持は、やや強引にミサトにキスをしようとしてきた。

が、ここまで頑強な抵抗は予想していなかったのだろう、加持は意外そうな顔をしてミサトを開放した。

「やれやれ、これは本格的に嫌われちゃったかな?」

「ごめんなさい。

今は……ちょっちね。私も色々考えてるのよ」

「ん?」

「どうせ知ってるんでしょ、私の父親の事」

「まあな」

「今のままでいいのかなって。シンジ君達に申し訳ないなって。

だからといって、今まで生きてきた目的の一部をここで無くしちゃうのは……」

「怖い?」

「まあね。

だからさ、今、加持君と一緒にいると、昔みたいに加持君に逃げちゃうような気がして……」

「ああ」

「だから、その……結論が出るまでは……ダメなのよ」

「そうか。……ま、気長に待つさ。それでは」

ミサトの目的の階につくと、加持は大仰なお辞儀でミサトを見送った。

「バカ」

その顔は少し嬉しそうだった。



「はい」

「ありがと」

ミサトがラウンジで休憩していると、リツコがコーヒーを持って現れた。

窓の外には、ライトアップされたビルが天井から下がっている。

モノレールの明かりが通リ過ぎる。

「今日は珍しく、シラフじゃない」

「ちょっち、ね」

「仕事?それとも男?」

「いろいろ」

「ふーん、まだ好きなのかしら」

ミサトはゆっくりとコーヒーを飲む。

「どうかしら?あの時、本当に好きだったのかもわからないし」

「あら、以外に素直ね?」

「リツコには話したことあったっけ?私がなんでネルフに入ったかって」

「お父さんの話?」

「そう。やっぱさ、復讐で戦うってのは失礼よね。……シンジ君達に」

リツコは窓のほうに視線を移すと、窓に映った自分の顔を見つめる。

「私たちが今しなければならない事は、使徒と戦って勝つ事よ。

ミサト、あなた復讐をやめて使徒と戦える?今までどおりに」

「それは……」

ミサトもまた、窓に映る自分の顔を見つめながら、考え込む。

コーヒーの香りが、鼻腔をくすぐった。



そして、決戦の朝。

田畑を踏みつぶして、谷間から使徒が姿を現した。

「いいわね。最初からフル稼働、最大戦速でいくわよ」

「わかってるよ。62秒でケリをつける」

「外部電源パージ」

ミサトの号令と共に電源ソケットがパージされ、カウントダウンがスタートする。

二体のエヴァは完璧なユニゾンで使徒に攻撃を仕掛ける……



そして……



爆発の煙が晴れた後には、巨大なクレーターの中心に方膝をついた姿勢の二体のエヴァが確認された。

「どうよ、シンジ。戦いは常に無駄なく美しくよ。

ま、アタシ達にかかれば使徒もこんなモンよ」

アスカは器用にウインクをする。

「うん、そうだね」

シンジもまた、不器用にではあったがウインクを返した。





つづく





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