「このデータに間違いは無いわね?マヤ」


「ハイ、先輩。全ての計測システムは正常に作動しています」


「まさかコアの変換も無しに弐号機とシンクロするとは……」


「ですけど、信じられません。……システム上あり得ないです」














WANDERING CHILD 第弐拾七話














その日、シンクロテストの終わったシンジは、カヲルの部屋に泊まることになった。

「やはり、僕が下で寝るよ」

ベッドで寝ているカヲルが、申し訳なさそうに声をかける。

だが、シンジは首を横に振る。

「いいよ、僕が無理言って泊めてもらっているんだから。此処でいいよ」

「そうかい?」

しばしの沈黙。

やがて、天井を見上げていた視線をそのままに、カヲルが話し掛ける。

「一時的接触を避けるかと思えば、積極的に話しかけようとする。

ガラスのように繊細だね、キミの心は」

そう言って、カヲルは床に布団を敷いて寝ているシンジのほうに顔を向ける。

「他人を知らなければ裏切られる事も、互いに傷つく事も無い。

でも、寂しさを忘れる事も無いよ。

人間は寂しさを永久になくす事は出来ない……人は一人だからね。

ただ忘れる事は出来る。だから人は生きていく事が出来るのさ」

そしてその顔に笑みを浮かべる。

「怖いのかい? 人と触れ合うのが」

はにかみながらも、シンジはその笑みを受け止めた。

「そうだね。正直、まだ怖いかな……」

「常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから生きるのが辛いと感じる。

……君は何を話したいんだい?」

シンジは再び天井を見つめて、一つ大きく呼吸をした。

「不思議だね、カヲル君にだと何でも話せそうな気がする」

その光景は、言葉とは裏腹に誰かにではなく自らへの問いかけのようであった。

「前は先生のところに居たんだ。何も無い日々だった。

此処に来ていろいろあったんだ……そう思っていた。

でも違ったんだ。以前の僕は何もしようとはしなかった。

いろいろな事があったのかもしれない。でも、僕にとっては何も無いのと同じだったんだ」

一言一言、確かめるようなその言葉。

真剣な表情で耳を傾けていたカヲルは、やはり笑みを浮かべるとそんなシンジを見つめる。

「やはり君は好意に値するね。

……僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない」

一瞬、交わされる二人の視線。

そして二人は眠りについた。



「シンジ、アンタ二度目なんでしょ?

アイツが何者か知ってるんでしょ? この後どうなるか知ってるんでしょ!?」

翌朝、シンジがカヲルとともに食堂で朝食をとっていると、肩を怒らせたアスカが現れた。

そのアスカに引っ張ってこられたのは、ネルフ特有のがらんとした通路にある無人の休憩所だった。

「アイツは怪しいわ、絶対に普通じゃない。

どうせゼーレとかが送ってきたスパイなんでしょ?

アンタ、また裏切られるつもり!!」

アスカは心から心配している、シンジにはそのことが痛いほど伝わっていた。

「ごめん」

だが、シンジはそう答える事しか出来なかった。

「何で、アンタ……」

なおも言い募ろうとするが、シンジの苦しげな表情に思いとどまる。

「アスカ、ありがとう。だけど、カヲル君は友達だから。……ごめん」

「もう……勝手にしなさい!」

何を言っても無駄だと悟ったアスカは、踵を返した。

「……っ!リツコ!?」

と、いつの間にか後ろに立っていた人物――リツコにぶつかりかける。

「アスカ、こんな所で話すことじゃないわよ」

そう言って軽く肩をすくめるとシンジのほうに視線を移す。

「シンジ君、例のシンクロ率を機械的に下げる装置だけれど、次の戦闘の時はどうする?

技術部としては最後の決戦の前に、100%を超えるシンクロ率で一度テストしておきたいのだけどね。

ただ、シンジ君が『彼』に傷をつけずに捕獲したいと考えているのなら、大きな力の差が無いと厳しいわよ?

それで、シンジ君の意思を訊いておこうと思ったのだけど……」

真剣なリツコの目。それはシンジを信頼している目だった。

シンジは不意に、前回トウジを助けられなかった第13使徒戦の事を思い出した。

あの時はゲンドウに強制された。友人の命ではなく、人類の未来という選択を。

だが、今回は自らの手にゆだねられたのだ。

命の選択を。

……結局、シンジは装置の使用を取りやめるように頼んでその場を後にした。

リツコも立ち去った後、一人取り残されたアスカは呆然とその場に立ち尽くしていた。

「エヴァで捕獲? ただのスパイじゃないって言うの。そんな、まさか、でも……」

広々とした通路に、アスカの呟く声が吸い込まれるように消えた。



「さあ、行くよ。おいでアダムの分身、そしてリリンのしもべ」

カヲルの声と共に無人の弐号機が起動した。

同時に検出されるパターン青。

それは、フィフスチルドレン――渚カヲルが、第17使徒となった瞬間であった。

突然の事態に騒然となる発令所。

だがそれは、上層部には予想された事態だった。

初号機の発進準備は速やかに行われた。



セントラルドグマに向かって、隔壁を突破しながら悠然と降下するカヲルと弐号機。

やがてシンジの駆る初号機が追いつく。



格闘戦を繰り広げる二体のエヴァ。

だが初号機の動きは予想以上だったようだ。

弐号機を牽制しながらカヲルをその手につかむ。なおも弐号機を操って抵抗を試みるカヲル。

その時、初号機の外部スピーカーからリツコが決定的な事をカヲルに告げた。

「無駄よ。セントラルドグマにあるのはアダムではなくてリリスよ」

その言葉にカヲルは、一瞬驚いたように目を見開いた。

「そうか。そういうことかリリン」

ふぅと一つ息を吐くと、弐号機の活動を止め降参の意を表した。

セントラルドグマまで、3層の隔壁が残されていた。



「残念だったわね、生命の実を持つ使徒タブリスこと渚カヲル君。

それともこう言い直した方が良かったかしら? アダムの智慧の実のコピーをもつモノと」

「さすがですね、赤木博士。裏死海文書に踊らされていない」

「ゼーレの存在を知るものなら誰もが知っているわ。

その記述どおりに世界を動かすために、彼らが涙ぐましいまでの努力をしている事はね」

二人のやり取りにシンジが疑問の声をあげる。

「ちょっと待ってください。

裏死海文書は預言書じゃないんですか? それにアダムが智慧の実を持っているって。

……使徒って生命の実、S2機関を持っているんじゃないんですか?」

それに対するリツコの回答は簡潔だった。

「裏死海文書は確かに預言書よ。それもかなり優秀な部類のね。

……でもただの預言書に過ぎないわ。

シンジ君、この世に預言書と呼ばれる物がいくつ存在するか知っているかしら?」

その言葉をかみ締めるように、沈黙が流れる。

「そうね、全てを話す時期が来たのかもしれないわね。

これからそちらに行くわ。しばらく待ってもらえるかしら」

それに答えたのはカヲルだった。

「僕の事はお気になさらずに」



「さて、何処まで話したかしら」

リツコに続いてミサト、アスカ、レイの順でキャットウォークに並ぶ。

「裏死海文書がただの預言書だという所までですよ」

エヴァの戒めから解かれ、初号機の大きな手の上にすくっと立っているカヲルが答える。

「そう、なら次は生命の本質と使徒について話さないとね。

……その前に、シンジ君。あなたの知識は加持君に聞いたものね?」

「はい。正確には、最後の戦闘の前にミサトさんが話してくれたんですけど」

「そう。……加持君は確かに核心に迫っていたようね。

でも真実にたどり着くには幾つか重大な事実が抜けていたのも事実よ。

それじゃあ順に説明するわね。

まず、生命の本質には2種類あるの。生命の実と智慧の実ね。

共に光のような性質を持つよく似た物質で、S2機関や魂が臨界を超える量になったものよ」

此処でアスカが疑問を挟む。

「リツコ。その言い方だと、まるで魂は生命の本質じゃないみたいじゃない」

「そうね」

以外にも、リツコの答えは肯定だった。

「S2機関はただの永久機関に過ぎない、それに我々魂を持つ者も他者からエネルギーを得ないと生きていけない」

此処でふっと笑みを浮かべる。

「言葉の定義の問題に過ぎないのよ。そんなに難しく考える必要は無いわ。

S2機関も魂も同じ方程式で表せるものよ?

一方が生命の本質で一方が違うとしたら体系的に考えるのに都合が悪い、それだけの事よ。

それに、魂を持つものを生命、生命の実や知恵の実を持つものを超生命体と呼ぶ事もあるしね」

「超生命体ですか……」

「そう。……『ANGEL』とも呼ぶわ。日本語だと『使徒』になるわね」



初めて明かされる使徒の定義。

そう、考えて見れば、今まで使徒がどういう存在なのかも知らされずに戦ってきたのだ。

「敵を知り、己を知り云々」では無いが、今までよく勝てたといえるだろう。

それはともかく、リツコの話はまだまだ続く。



「セカンドインパクト以前に存在した使徒はアダムにリリス、そして群体ではあるけれどリリンもそうね。

それらは、全て知恵の実を持った使徒よ。

さらにいうならば、セカンドインパクト以前には我々の宇宙にはS2機関、生命の実は存在しなかったの。

葛城博士のS2理論が机上の空論と言われたのはそのためよ。

どうやってもS2機関は生まれなかった。

じゃあ、何が必要なのか?

S2機関は光のような物質よ、原料を化合したり生成したりして作るわけにはいかない。

なら、どうするのか?

答えは簡単、経験を与えてやればいいのよ」

「経験?」

その意外な単語に、ミサトが思わず声をあげる。

「そう、経験。まあ、一般的に使われるのとは少し意味が違うのだけれどね。

『経験場』というものを聞いた事があるかしら?

シンクロニシティーと呼ばれる現象の幾つかはこれで説明できるわ。

そうね、例えば新聞についているクロスワードパズルはその日の朝に解くよりも多くの人が解いた次の日の方が簡単に解ける。

有名なところでは、ニトログリセリンがある日、世界中で結晶化したというのもあるわね。

経験は「経験場」を介して他者に影響を与える事があるの」

「ええと、つまり。リツコ」

アスカが、リツコに確認する。

「多くの人がクロスワードを解いたという経験が、その経験場としてこれから解こうとする人に影響を与えるってことよね。

まさか、知らないことが分かるようになる訳じゃないでしょ?

つまり、知っていることならその答えを思いつきやすくなるってこと?」

リツコは、優秀な生徒を褒める教師の顔になる。

「そういうことね。まあ、詳しい理論は省略させてもらうけど。

では、どうやって経験を与えるのか?

その答えがロンギヌスの槍よ。

ロンギヌスの槍についてはまだよく分かっていない事も多いのだけれど、簡単に言うと磁石が磁場を発生させるように経験場を発生させるものだと考えればいいわ。

話を戻すけども、S2理論が机上の空論といわれていた当時、南極でアダムが発見されたわ。

様々な実験が行われたのだけれど、その中に葛城博士が中心となって行われた物があったわ。

……ゼーレの全面バックアップでね。

その実験は、アダムの知恵の実をロンギヌスの槍を使ってS2機関に変換するというものだった。

それは途中までは成功したわ。

智慧の実はS2機関に変換され、やがて臨界を突破し生命の実になった。

ただ問題は、アダムの智慧の実が当初の予想よりも大幅に大きかったということね。

その結果、変換された生命の実はコントロールを失い暴走した。

これがセカンドインパクトの真相よ」

此処で一度話をきると、リツコはミサトの様子をうかがう。

その視線に気付いたミサトは、大丈夫だというように軽く頷いた。

「当時の記録はほとんど残っていないからなんとも言えないのだけど、ゼーレによる何らかの工作があったようね。

それに母さんの話だと、博士もだいぶ焦っていたらしいわ。

あの頃の学会での排斥の動きは異常なものだったと言うから。

何せS2機関はともかく、それ以前の業績や人格までも否定するような風潮だったらしいからね。

博士も何かに取り付かれたように研究に没頭していたそうよ。

……これは私の想像だけど、ミサト。そのころのそうした動きもゼーレが関係しているんじゃないかしら?

可能性は十分にあると思うわ」

ミサトは微かに覚えている父の後ろ姿を思い出していた。

書斎の大きな机に座って、一心に書き物をしている父の姿を。

(そうだ)

記憶は新たな記憶を呼び起こす。

ミサトは母と共に何日も書斎に閉じこもっていた父を心配していた事を思い出す。

(そうか。父さんも苦しんでいたのね)

ミサトは、胸のうちが少し軽くなったような気がした。



「アダムの智慧の実、その大半はS2機関に変換され、さらにエネルギーとして放出されたわ。

この時、おそらく葛城博士は少しでも被害を抑えようと、ロンギヌスの槍を使って再び魂に変換しようとした。

つまり、アダムのクローンとでもいうべき魂が出来た訳ね。

セカンドインパクトの後、ゼーレの手によってこれらはネルフのドイツ支部に運ばれた。

アダムの肉体はコピーされ弐号機に、魂は再生された後日本に運ばれたわ。

そして再変換されたもう一つの魂はとあるクローン体に宿された。

生命の本質たる魂の生まれた日を誕生日とするならば、このクローン体の誕生日はセカンドインパクトの日になるわね。

どう?渚カヲル君」

「御明察」

芝居がかった口調のカヲル。

「僕と弐号機は兄弟みたいなものさ。

だから僕はキョウコさんとシンクロしていた訳ではなく、直接シンクロしていたのさ。

安心してもらえたかな?アスカ君」

にっこりと添えられた笑みには、「フン!」という返事がアスカから返された。



「ちょっと待ってよ、リツコ。

まだ基本的なことが、よく分かんないんだけど良い?

えーと、今までも使徒って突然わいて出たわよね?

これって生命の実が発生するのに必要な経験場……だっけ?それがあるからって事でしょ。

だとしたら、これからもぽこぽこやって来るって事?」

リツコは首を横に振る。

「勘違いしないで。

S2機関を発生させるには経験が必要だけど、経験があれば必ず発生する訳じゃないわ。

自然にS2機関が発生して、まして生命の実となる確立は天文学的な数字よ?

ゼーレが人為的に発生させていると考えるのが自然ね」

「なるほどねえ。

後は、使徒がこの下にあるアダム……じゃなかった、リリスと接触したらサードインパクトが起こるんじゃなかったの?

そんで、も一つ。そもそも使徒はどうしてリリスを目指してここに来んの?」

「そうね、まずどうして使徒が地下のリリスを目指すのかだけど、これは使徒の本能なのよ」

「本能?」

「そうさ、キミたちリリンがS2機関を手に入れようとするようにね」

疑問の声を上げようとしたアスカを制してカヲルが補足する。

「ちょっと、待ちなさいよ。

本能でS2機関を求めているって言うの? 人間が」

納得できないアスカが問い詰める。その剣幕にも、カヲルはその表情を変えない。

「『人間が』じゃない、『リリンが』だよ。

群体としてのリリンが、進化を繰り返しながらS2機関を追い求めてきたんだ。

全てのリリンは食事をする。もっとも、光合成や他の手段をとるモノも居るけどね。

それは本能だろう?

そしてその目的は? エネルギーを得るためさ。

ならば、その究極の方法は?」

「それがS2機関という訳ね……」

「そう。生命の実を持つ者は智慧の実を、智慧の実を持つ者は生命の実を、それぞれ求めるものなんだ」

カヲルに言い負かされたようで悔しいアスカは、それでも渋々といった様子で頷く。

その様子にリツコは軽く肩をすくめると、続きを話し始める。

「つぎに生命の実だけを持った普通の使徒がリリスと接触した場合だけど、小規模なエネルギーの放出が起こる程度ね。

N2兵器の方がよっぽど被害が大きいわ。とてもサードインパクトとは言えないわね。

ただし生命の実と智慧の実の両方を持った、我々よりも高次の知性と無限のエネルギーを持った使徒の相手をする羽目になるのだけれど」

「それじゃあ、どうすればサードインパクトが起こるのよ?

そもそも、ただの大爆発じゃないんでしょ。

全ての生き物がL.C.L.になって一つになるなんて、どうやったらそうなるのよ?」

「それも経験よ。渚君の目的はおそらく、アダムそして弐号機と再び融合する事ね。

つまり、もともとひとつだったアダム、渚君が持つアダムの魂のコピー、そして弐号機の肉体が融合して群体となったモノが単体に戻るということを経験する事。

もっとも、この程度ではサードインパクトとは言えないでしょうけど。

この後のリリスと初号機、そして初号機と同じリリスを素体として製作された量産機による本格的なものの呼び水といったところかしらね?

その時はロンギヌスの槍を増幅器とするの。

そうして、郡体がもう一度単体に戻るという経験を世界中に広める訳よ。それも強力なものをね。

それによって、リリンも単体に戻るように誘導されるはずだわ」



「さて、そろそろ良いかな?

どうやらアダムとの融合は果たせそうにないしね。

それに、やはり君たちリリンは死ぬべき運命にないようだ。

もちろん単体に変わったとしてもリリンは死ぬ訳じゃない。だけど、あえて僕は『死』という言葉を使いたいと思うよ」

そしてカヲルは初号機のほうに向き直った。

「さあ、碇君。僕を消してくれ」

悲壮感のない、むしろ清々とした表情のカヲル。

「なんで、どうしてカヲル君が死ななきゃいけないんだ。

どうして、また君を殺さなきゃいけないんだ……」

ハッと息を呑むカヲル。

「そうか。……もしかしたらとは思っていたけれど、やはり二度目なんだね、碇君。

どうやら正直に話さなきゃいけないようだね」

そして、困ったような笑みを浮かべながら話しはじめた。

「どうしてアダムは、かくも巨大な知恵の実を持っていたのだろうか?

それは、永遠の時を過ごすには、それだけ必要だからだ。

感情を、心を持つものは一人では生きていけない。それに耐えうるには実に巨大な智慧の実が必要なんだ。

だけど僕は、ほんの小さなかけらを持っているに過ぎない。

生命の実がなければ有限の命しか持ち得ない量、君たち一人が持つ魂とほとんど同じだけの量さ。

僕には永遠の時がある。

その中で、僕は無限の別れを経験するだろう。僕はそれに耐える自信はないよ。

……例え、同じだけの出会いがあるとしてもね。

それを……別れを経験しないようにするには、人と出会わなければいい。

何もしなければいい。

碇君、永遠に生きるということは、永遠に生きないのと同じなんだ。

僕にとって、生と死は等価値なんだ。

だから碇君、できればせめてキミの手で僕を消して欲しい」

そして、真っ直ぐな目で初号機を見つめた。

シンジは不意に、前回ミサトから聞いた「生き残るのは、生きる意志をもったモノだけよ」という言葉を思いだした。

「……カヲル君」



初号機は、第17使徒タブリスを殲滅した。





つづく











後書き

どーも、林原兼実です。
今回で27話を数えましたこの「WNDERING CHILD」ですが、まずはここまで読んでいただいた皆さんに御礼を言いたいと思います。
さて、今回の第27話ですが、書いた私が言うのもなんですがうまくまとまりませんでした。
一応いろいろな謎解きの話なんですが、なんだか言いたいことが多すぎて説明不足な感があります。
何度か書き直してみたのですが、どうにもうまくいきませんでした。
色々と書いていますが、これからのエンディングに関係する最も重要な事柄は「サードインパクトは経験によって起こる」と言うことです。
元は単体の使徒であったアダムとリリスはゼーレの手による人為的なセカンドインパクトによっていくつかに分けられ、群体となりましました。
それをもう一度単体に戻そうとするのがサードインパクトの儀式です。
そして一度群体になったアダムやリリスが再び単体になるという経験を介して、群体である第18使徒リリンを単体に戻すというのがW.C.におけるサードインパクトの真相です。
とりあえずそれだけ覚えていただければ大丈夫ですんで、なんだか分かりにくいからここまでスクロールしちゃったって人も安心してください。
それでは次話第弐拾八話でお会いしましょう。




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